SESとは?SES業界の動向、今後を解説してみた
エンジニア転職公開日 : 2020年07月03日 | [更新日] 2023年06月01日
キャッシュレス決済、人工知能、AI技術などをはじめとして、近年のIT技術は日々進化を遂げていて、これに伴って、ITを活用する立場であるエンジニアの需要が非常に高まっています。
この記事を読んでいる方の中にも、エンジニアに転職したいと考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、エンジニアについて調べているとさまざまな勤務形態があり、それぞれどういう違いがあるのかがわかりづらいですよね。
特に、エンジニア業界でよく使われている「SES」という契約形態。
わかりづらくないですか?
そこで今回は、エンジニアへの転職を目指す方に向けて「SES」の現状や今後について解説していきます。
ざっくりまとめると、、、
巷ではSESに対して批判的な意見が多いが、
「SESにもメリットがある」
ただ、下請けなので、年収は低め・・・
でも、
「プログラミング・エンジニア未経験者にとってはスキルを身に付けられる場でもある」
結局、何を得られるかは自分次第なので、
ファーストキャリアとしてSESエンジニアになるのは全然アリ!!
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SESとは?派遣・請負・委任契約との違い
どういった契約形態で契約しているのかによって、エンジニアの働き方が変わってきます。
エンジニアとして働いていく上での契約形態は以下の通りです。
・SES
・派遣
・請負
・委任
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
SES=準委任契約
SESという言葉、エンジニア以外はあまり聞き慣れないのではないですか?
SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略です。
SESとは、システム開発を依頼するクライアント先に出向き、クライアント先に常駐して仕事をおこなうことで、エンジニアとして働いていく場合、多くの方に当てはまってくる契約形態です。
SESの特徴としては、エンジニアを派遣した企業が派遣した人物の業務管理や勤怠管理を担当します。
例えば、あるIT企業にエンジニアとして就職が決まったとします。
このIT企業は、自社でサービスを開発しているのではなく、SES企業としてクライアント先にエンジニアを提供している企業です。
IT企業として売上を上げなくてはならないので、クライアント先を見つけSESの契約でエンジニアをクライアント先へ派遣します。
SES契約でクライアントと締結したエンジニアは、基本的にクライアント先に出向いて仕事をこなしていきます。
ただし、どういった業務を担当するのか、残業をどれくらいやるのかといった指揮命令はSES企業側でおこなうのです。
つまり、クライアント先で働くからといってクライアント側から命令や指示を出すことが出来ません。
SES契約として派遣される場合は、何かシステムを作るために結成されたプロジェクトが発足されたタイミングが多いです。
プロジェクトが発足されると、設計フェイズから始まって開発フェイズへ進み、最終的にテストフェイズを経て本番リリースを迎えます。
設計フェイズだけの参画、開発フェイズだけの参画というような特定のフェイズだけSES契約を締結することも珍しくありません。
SESと派遣の違い
SESはクライアント先に派遣しているため、派遣と同じじゃないのかと思う方も多いでしょう。
しかし、SESと派遣には指揮命令権が異なるという違いがあります。
先ほども説明した通り、エンジニアを提供している企業側に業務を指示する権利があります。そのため、クライアントからの業務や勤怠に関する命令を受けることができません。
対して派遣の場合は、業務に関する命令を行える権利はクライアント側にあります。
要するに、残業や業務の指示は全てクライアント側でおこなうのです。あくまで派遣元の企業は人材の提供しているだけになります。
SESと請負の違い
相手に決められた時間内に労働するのを条件とした契約をSES契約と呼びます。
請負は時間を条件とはせずに、最終的な成果物を条件として契約が成り立っているのです。
要するに、請負の場合はいくら働いても成果物をクライアント企業に提示できない限りは報酬をもらえないというわけです。
逆にSESの場合、成果物を条件として契約をしていないため、極端な話をすると成果物が完成しなくても決まった時間に労働をすることで対価を得られます。
請負の場合、SESと比べると技術力やスキルに自信がないと厳しい契約です。成果物の品質が低かったり、成果物に何か問題がある場合には修正や再作成が求めれることがあります。
逆にSESの場合は、こういった成果物に対するプレッシャーは少ないでしょう。
ただし、自分の労働時間を調整できるため、技術力に自信があり自由に働きたい方に向いている契約が請負契約です。
SESと委任との違い
SES契約と委任契約の大きな違いは、法律行為をおこなうかどうかです。委任契約は、法律行為をおこなう場合に締結される契約になります。
エンジニアの業務は、システムの開発やシステムの保守業務となるため法律行為をおこないません。そのため、エンジニアとして働く際に委任契約が用いられるケースはほぼないでしょう。
SES業界にはどんなメリット・デメリットがあるの?
SES業界にあるメリットとデメリットについても詳しく知りたいところです。
今後エンジニアを目指すにあたり、どの契約形態で働いていくかを決めるための重要な検討材料となるでしょう。
ここでは、SES業界で働くメリットとデメリットを解説していきます。
SES業界で働くメリット
多くのプロジェクトを経験できる
SES業界で働く大きなメリットの一つが、多くのプロジェクトを経験できることです。
SES契約は、基本的にプロジェクトが発足したタイミングでメンバーとして加わるため、自分の役割が終わったらそのプロジェクトから抜けます。
プロジェクトから抜けた後は、新たにSESとして参画するプロジェクト先で業務をこなしていくのです。
このように短いスパンでいろんな現場を経験できます。
環境も変わるため、ずっと同じ環境で仕事をしたくないという方にはおすすめの働き方です。
幅広い技術を学べる
プロジェクトによって使われている技術は異なります。
同じプログラミング言語を扱っている場合でも、使っているフレームワークが違ったり、使用しているツールが違ったり、環境が違ったりするため幅広い技術を学べるのです。
ツールなどを少しでも経験しておくと、今後どこかのタイミングで役立つときがあります。また、技術だけではなくその業界についての業務知識も学べます。
働き方次第では、SES契約を通じて多くの業界の仕事に関わることができるのです。
システムを作るにあたり、その業界ではどういった仕組みでシステムが成り立っているのかを理解する必要が出てくるため、自然とその業界に関する知識も深まります。
業務知識を身に付けると、エンジニアとしての市場価値がグンと上がるため技術だけではなく業務知識を身に付けられるのも魅力でしょう。
社外とのコネクションができる
SES業界では、短いスパンで多くの現場を経験するため、それだけ関わっていく人も増えていきます。
エンジニア界隈は意外と狭いもので、一緒に仕事をした人が他の現場でも一緒になるというのは良くある話です。
一度顔馴染みになっているため、仕事を進めていく上でもスムーズに行くでしょう。
また、社外とのコネクションを作っておくと、将来フリーランスとして活躍していきたい場合に取引先となる場合があります。
フリーランスエンジニアをしていると、最も苦労するのが仕事を獲得するために営業をすることです。
始めたての頃は、まだ何の実績もないため取引先もなかなか見つかりません。
しかし、社外とのコネクションを作っておくことで、一度仕事をともにしたという点から引き続き仕事の依頼がされるケースが多く見られます。
成果主義ではないため気楽にできる
SES契約は、成果物を条件としているわけではなく決まった時間に労働していくことを条件としています。
そのため、納期などにとらわれることなく余裕を持って作業に取り組めるのです。
しかし、成果主義ではないからと言って仕事をサボっていてはすぐに契約を切られてしまいます。納期やプレッシャーにとらわれることなく、日々の業務にあたれるのがSES契約のメリットというわけです。
SES業界で働くデメリット
偽装請負が横行
SES契約というのは、準委任契約のため派遣元企業からの指示をもとに業務をこなしていきます。
SES契約では、業務でどの部分を担当するのか、残業や休日出勤の必要性があるのか、業務をいつまでにどこまで終わらせるのかといったことは、エンジニアを派遣している企業からの指示を受けて業務に取り組んでいきます。
SES契約を結んでいるのであれば当然のことです。そんな中、SESとしてクライアント先で働いていると、クライアントの指示にしたがう「偽装請負」が横行しているケースが多く見られます。
案件によっては外れくじを引くことも
SES契約では、クライアント先によって職場環境や労働環境、そして業務内容が変わります。こういった部分は、実際にSES契約を結んで働いてみないとわからない部分です。
そのため、クライアント先の労働環境が劣悪で非常に忙しい現場であったり、業務内容が自分の希望していたものと違っていたり、インターネットの利用ができない環境だったりなどがありえます。
帰属意識が薄れる
基本的にはクライアント先で働くことになるため、派遣元になる自社に行く機会が減ってしまいます。
そうすると、自然と自分がどこの会社の人間かわからなくなってきてしまい、自社に対する帰属意識が薄れていくのです。
こういった事情があることから、SES企業では1ヶ月に一度は帰社する機会を積極的に作ったりするなどして帰属意識を高めています。
自社の評価者が現場にいないケースも
ほとんどの企業では、半年や一年にさまざまな項目に沿って評価をしていきます。
評価をする人は、課長などが多くなるため、実際に現場にいない方が評価するケースもあるのです。
こういった評価体系になると、実際に現場にいないために評価基準が納得がいかなかったり、思うように自分の実績をアピールできないことがあります。
しかし、企業によってはクライアントからの評価を加味していたり、クライアント先へは一人ではなく二人以上の社員で出向させています。
こういった取り組みをすることで、正しい評価ができるようにしているのです。
SESの年収
SES企業の年収は、一般的なエンジニアと比べると低い傾向があります。
およそ1年目の平均が300万円で、その後年数とともに上昇していきますが500万~600万円で頭打ちとなるでしょう。
なぜSES企業の場合は年収が低い傾向にあるのでしょうか?
それは、ほとんどの場合が下請けとなるためです。下請けになればなるほど、当然ながらクライアントが初めに発注した金額よりも低くなっていきます。
金額が低くなってしまうため、エンジニアに還元される金額も低くなるというわけです。
SES業界の動向
エンジニアの世界では一般的であるSESですが、今後どのような動きになるのでしょうか?
現状と今後の展望を詳しく解説していきます。
SES業界はグレーと呼ばれている
SESがグレーと言われている理由は、エンジニアに対する指揮命令権が把握しにくいからです。
SES業界の場合は、派遣元企業からの指示に従うとありますが、この約束事は書面上だけの話になります。
しかし、気付かぬうちにクライアントの指示を受けて仕事をしていくというケースが多く見られます。
なぜこういうことが起こってしまうのでしょうか?
それは、エンジニア自身がこのSESという契約を理解していないことも影響しています。
特に新卒としてSES企業に入社した場合、お客様相手に自分の意見をいうということが難しいため、知らず知らずのうちに指揮命令権がクライアントに移っているということも珍しくありません。
SES契約を受けて実際に働くエンジニア自身が、しっかりとSESについて理解することが非常に重要です。
需要があるのでなくならない
グレーと呼ばれているSES業界ですが、需要は今後も伸び続けると予想されます。
その理由は、圧倒的なエンジニア不足が原因です。現在、ITの進歩によりエンジニアの需要が急増しています。
私たちの日常生活に関わる部分でも、多くのことにIT技術が使われており、ITなくして生活を送るのは困難だといえるでしょう。
エンジニアの需要が高まる一方で、エンジニアの数がまだまだ不足しています。最近では、プログラミングが身近になったことからエンジニアを目指している人が増えていますが、それでも足りない状況です。
こういったときに、企業では新たにIT人材の育成をするよりも、SES契約を結びエンジニアを獲得するほうが効率的に人員を供給することができます。
例えば、企業で何かサービスを作るとなったときに自社でエンジニアを用意するとしましょう。
そうすると、まずはエンジニアとしての人員の確保から始まり、エンジニアとしての人材育成も必要となります。
そして、普段エンジニアを雇っていない企業の場合は、サービスが完成した段階でエンジニアは必要なくなってしまうのです。
そういったときに活用するのが、SES契約です。
SES契約を結んでエンジニアを雇うことで、すでに人材育成されているスキルがあるエンジニアを採用することができます。
サービスの完成を条件に契約を結べば、そのサービスのプロジェクトが終わった段階で解散となるため、一時的に必要な場合に有効な契約といえるでしょう。
エンジニア不足が続く限り、今後もSESの需要はなくなることはないでしょう。
SESエンジニアを目指すには?
SESエンジニアを目指すなら、複数の転職エージェントに登録して、情報収集・比較検討しよう
SESだけでなく、受託企業や自社開発企業の紹介もあるのでとりあえずエージェントの方に無料カウンセリングすることをおすすめします。もちろん、情報を集めておくためという目的やとりあえず登録しておくだけというのも全然OK!
偏った企業の紹介を避ける、プロの様々な意見聞くためにも、案件複数の転職エージェントに登録しておくことが重要です。
今後IT業界への転職、別のIT企業への転職を考えている方は、以下のエージェントがおすすめです!
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SES業界は今後どうなっていくのか?
今回は、エンジニアへの転職を目指す方に向けてエンジニアの中で多く見られる「SES」という勤務形態について解説しました。
SESとは、システム開発を依頼するクライアント先に出向き、クライアント先に常駐して仕事をおこなうことです。
業務に関する指示や命令は、エンジニアの派遣元企業にありますが、気づかない内にクライアント企業から業務に関する指示を受けることから、SESはグレーでやめておいたほうがいいと言われています。
他にも、SES企業とクライアント企業の間に他の企業が挟まっている二重派遣というケースも見られます。
エンジニアの需要が高まっていることから、SES業界は今後もなくなることはないでしょう。
デメリットばかりではなく、多くのプロジェクトを経験できるため自分の働き方次第ではスキルを伸ばしていくことも十分に可能です。
エンジニアとしての働き方を決めていくときに、今回の記事を参考にすると良いでしょう。
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