SE(システムエンジニア)入門者が必要な情報まとめ
エンジニア転職公開日 : 2020年03月17日 | [更新日] 2023年09月01日
IT業界・IT企業に就職したいと考えたとき、よく耳にする「システムエンジニア(SE)」という職種。
その名の通り、社会や企業の営みを支えるシステムに携わる技術職ということはなんとなくわかるのですが、いろんな文献やサイトを探して読んでみても、具体的な仕事の内容についてはイメージが持ちにくい職業かもしれません。
それは、プロジェクトマネージャー、プログラマー、Webデザイナーなどの職業と区別するための「システムエンジニア」という呼び方と、エンジニアとしての役割を区別するための「システムエンジニア」という呼び方が入り混じって使われていることが理由なのだと思います。
これからSEを目指す人、SEとしての成長を考える人にとっては後者の観点が重要だと思いますので、エンジニアの役割としての「システムエンジニア」についてご紹介していきます。
目次
そもそもSE(システムエンジニア)とは
社会や企業では、新しく実現したいことや困ったことが次々と生じます。
そのような「現実の課題」を「ハードウェアやソフトウェアなどのIT資源を組み合わせて」「解決するためのシステム」を「ある決められた期間内に構築する」ことがSE(システムエンジニア)の役割です。
大事なポイントは2つあります。
・その解決策をシステムとして構築するプランを計画し、その計画にのっとって作業を進めること
実践するために必要とされるスキルについてはあとで詳しく説明しますが、IT技術だけにとどまらず、分析やコミュニケーションのための能力が必要とされます。
システム構築の上流工程を担当するのがSE(システムエンジニア)
システム構築には大きく分けて、企画/設計/開発/運用の4つのフェーズ(工程)があります。
決まった設計にもとづいてソフトウェアを生産する開発フェーズや、出来たシステムを世の中へリリースして維持していく運用フェーズとくらべ、まだはっきりと決まってないことに立ち向かう企画や設計のフェーズを上流工程と呼びます。
お客様が解決したい課題はいろいろあるかと思いますが、なんでもかんでもシステム化していったのではお金がいくらあっても足りません。
開発や運用は仕様が決まっていればいくらでも作業が出来てしまうので、その前段階である上流工程で、SE(システムエンジニア)がしっかりと実現範囲やスケジュールを決めてあげることが、お客様にとってもシステム開発する側にとっても重要になります。
SE(システムエンジニア)の平均給与
そんな重要な役割をもつSE(システムエンジニア)ですが、その給与についてはどうでしょうか。政府統計の総合窓口 e-Statで公開されている「賃金構造基本統計調査」から、平成30年のデータについて見てみたいと思います。
働き盛りである35歳~39歳で年収約400万、賞与その他で約120万、合計約520万ほどという結果になっています。ですが、その年代でSE(システムエンジニア)に転換したらそうなるという話ではなく、経験によって成長する部分が加味されていると考えてください。
年齢別にどのように推移していくのかという点については、グラフから分かることとして50歳代まで収入は上がっていく傾向にあると読み取れます。
ただし、全てのSE(システムエンジニア)がこのグラフのように順調に収入を増やせるわけではなく、様々な業種のクライアントを経験してきたり、最新技術にも詳しいなど、その人なりの歩み方に大きく依存します。
次のグラフは参考としてプログラマーの給与について同じ条件で取得したものですが、1~2割ほどSE(システムエンジニア)の収入額を下回る結果となっています。SE(システムエンジニア)はプログラマーに対して設計書を作成して渡し、ソフトウェアの開発作業をコントロールしていく立場になるので、その点が収入面にも反映されている結果となっています。
また、日本全体の平均年収は約420万という結果になっており、それと比較しても約100万円ほど上回っていることから、一般的なビジネススキルについても高いスキルを求められることがおわかりいただけると思います。
ただ世界規模で考えてみると、日本におけるIT系エンジニアの収入は比較的低い水準であるという事実もあり、外資系への転職、もしくは活動拠点を海外におくことで更に収入アップを狙える職種でもあると言えるでしょう。
SE(システムエンジニア)の具体的な仕事内容
ではどんなことが出来たらSE(システムエンジニア)として振る舞えるのか、について考えていきたいと思います。
冒頭で、エンジニアの役割としての「システムエンジニア」ということを書きましたが、その役割に応じた仕事内容ってどんなものだろう、と思いませんか?
一言で「システムエンジニア」といっても、システム構築に必要なIT技術は広範囲にわたるため、得意分野をベースにシステムエンジニアの役割を細分化してとらえたほうがよりわかりやすくなります。その得意分野にまで踏み込むと、システムエンジニアが実際に行う具体的な仕事の内容が見えてきます。
そこで参考になるのが、IPA(情報処理推進機構)が定義する「ITスキル標準(ITSS)」と、その定義にのっとって運営されている国家試験「情報処理技術者試験」です。
ITスキル標準(ITSS)では、エンジニアとしての得意分野がどういうものか、必要なスキルや自分のキャリアをどう考えたらよいか、ということが定義されており、ステップアップを検討するときの基準(レベル)についてまで書かれています。
ただ、WebでIT業界の求人を検索したり、SEになるためには?といったサイトでの表現は、ITスキル標準(ITSS)での表現と異なっているため、これまではあまり意識してこなかったかもしれません。ですが、実際はほぼピタッと当てはめることができるため、そのあたりの対応付けも含めて、SE(システムエンジニア)の種類と仕事内容について、まとめていきたいと思います。
SEの主な仕事を紹介
ここではSEの主な仕事について解説していきます。
SEの主な仕事は以下の4つに分類されます。
要求分析
外部設計
内部設計
テスト
要求分析
クライアントがどのような希望を持っているのかなど、クライアントの要望の全体像をつかむために必要な内容で、簡単に説明すると営業職がお客の要望を聞いてくるのと同じようなことです。
その要望に対して出された分析結果をもとにシステム開発をしていくことになりますので、ここでのヒアリングがシステムの鍵を握っているとも言われています。
クライアントの中には実現不可能な要望を出してくる人もいますので、慎重にクライアントの要望を聞きつつ、出来うる最大限の内容を提案していく提案力が必要になってきます。
外部設計
次の工程である外部設計では、先ほどの要望をもとにしてシステムの設計書を考えていきます。このときにできた設計書を基本設計書と呼び、全てはこの基本設計書をもとにシステムの構築がされていきます。
また、外部設計では方式設計・機能設計・セキュリティ設計といったシステム全体の工程や、人員の選定や費用の提案なども外部設計の工程で行っていきます。
内部設計
先ほどの外部設計でシステムの骨格が決まったら、内部設計でシステム内の動作やデータ処理などの仕様を設計していきます。
ここでは、プログラミングスキルが非常に重要になってくる工程で、この工程まで来ると顧客との打ち合わせなどもほとんどなくなってきて、システムの構築に時間を割くことができるようになります。
ここで完成した内部設計は、詳細設計書などとも呼ばれるシステム実現のためのより具体的な設計書です。
テスト
SEにとって最後の工程になるのがテストになっています。
この工程では、これまで外部設計や内部設計をもとに作られたシステムを文字通りテストしていく工程で、単体テストではプログラムのテストをしていき、結合テストではプログラム通しの連携など、作成したプログラムの総合的なテストをしていきます。
これらのすべてをチームとして取り組んできますが、SEはこのチームをまとめる役割になっていますので、どれか一つではなく総合的にシステムについて関わっていかなければいけません。
また、1度システムの構築をしたから仕事が終わりではなく、実装後のアフターケアもSEの大事な役割となっています。
様々なシステムエンジニアの種類
SE(システムエンジニア)を大きく分類すると、ソフトウェアを得意分野とするシステムエンジニアと、ハードウェアやネットワークを得意分野とするインフラ系システムエンジニアに分けることができます。
ソフトウェアを得意分野とするシステムエンジニアは、その扱うソフトウェアの特性にもとづいて、さらに業務系・アプリ系といった2つに分類されます。
業務系システムエンジニア
「業務」という言葉でどんなイメージを持たれるでしょうか?
この「業務系システムエンジニア」として使われる「業務」という言葉には、一般的には金融業界や放送業界など、その業界特有の業務システムを取り扱うという意味があります。また、会計や人事など、どの業種でも汎用的に必要とされる業務も対象となります。求人募集などでは「社内SE」だとか「業種SE」などと表現されることもあります。
ITスキル標準(ITSS)における職種としては「アプリケーションスペシャリスト」が該当します。
業務系システムエンジニアが取り扱う案件の例を挙げると、
・業務課題を解決するパッケージやサービスなどの適用
・運用・保守業務の自動化など
・既存システムのリプレース
といった、業務の品質改善やコスト削減に向けた施策を実現し、ビジネス拡大に向けた投資ができるように貢献する形になります。
ポイントとしては、普段何気なく行われている業務を対象にするため、明文化されていない隠れた仕様を聞き出したり、業界固有の法規制などについても考慮が必要になることがあります。そのため、業務を深くまでヒアリングし、分析し、抽出した課題に対する解決策を提案できるスキルが求められます。
アプリ系システムエンジニア
基本的には業務系システムエンジニアと必要とされるスキルや仕事内容はあまり変わらないのですが、取り扱うソフトウェアがより一般のエンドユーザー(コンシューマー)向けのシステムを取り扱います。
コンシューマー向けという意味で「(B)toC」と表現されることもあります。
こちらもITスキル標準(ITSS)としては「アプリケーションスペシャリスト」に該当しますが、業務系のアプリケーションと比較すると、お客様を逃さない努力として新機能の追加や改善を絶えず実施していく必要があるため、より早いスピード感での対応が求められます。
アプリ系システムエンジニアが取り扱う案件の例を挙げると、
・エンドユーザーの行動から新しい活路を見出す
・新技術の適用や開発プロセスの変革
・既存システムのリニューアル、チャネルの拡大
といった、ビジネス拡大を中心に据えた施策を実現し、貢献する形になります。
ポイントとしては、依頼を受けるクライアントの「その先にいるエンドユーザー」に向けたシステムを構築するため、ユーザーの行動や感情を集めるためのマーケティングに近いスキルとそれをシステムによって収集したり可視化したりといったスキルも重要視されます。
また、競合も常にブラッシュアップしてくるため、デザインのトレンドや技術動向の影響を非常に受けやすいことから、モバイルアプリケーション/Webアプリケーションの両面において広くアンテナを張っておく必要があります。
インフラ系エンジニア
これまでのシステムエンジニアがソフトウェアを中心としてきた対極として、ハードウェアやネットワークなどを扱うのが、インフラ系システムエンジニアです。
こちらはITスキル標準(ITSS)で見ると、「ITスペシャリスト」にあたりますが、さらに細かく以下の専門分野に分かれているので、そちらでとらえるとわかりやすいと思います。
・ネットワーク
・データベース
・アプリケーション共通基盤
・システム管理
・セキュリティ
インフラ系システムエンジニアは、上記のような得意分野のスキルを伸ばしていってスペシャリストとしても活躍できるのですが、クラウドサービスの台頭によりここ最近では最も変化を求められている職種かもしれません。
どういうことかというと、もともとサーバーやルータ・スイッチといったハードウェアで構成されていたシステムを、仮想化されたクラウドサービス上で構築したり、またはその両方をつないでシステムとして組み合わせる案件も増えてきているため、物理の世界と仮想の世界の概念の両方を理解することが求められてきているのです。
仮想化されたクラウドサービスについてのスキルだけ習得していても、結局ネットワークやデータベースの世界で起きるトラブルなどを解析し、対策をとるためには、それぞれの得意分野における深い知識とスキルが必要になるのです。
ポイントとしては、得意分野のスキルをより深く掘り下げるのと同時に、クラウドサービス上での仮想化された概念にきちんとマッピングしてシステム構築ができるスキルを習得しておくと応用が効きます。
システムエンジニアになるのに必要なスキル
前節では3つのSE(システムエンジニア)の種類に分け、それぞれの業務における特徴的な側面について触れました。
ただ、業種や技術はある程度移り変わりながら関わっていくので流動的なものであるといえます。
では、そもそもSE(システムエンジニア)はどのような仕事をする人だったか?と基本に立ち返り、どんなスキルを身につけ、向上させていくべきか見てみましょう!
仕様を決めるための論理的思考力
システム開発の初期において、クライアントから提示される仕様は案件や工程によって様々なレベルになります。
よく「要望、要求、要件」といった言い方をされることがありますが、基本的にクライアントが実現してほしいイメージは、現実のシステムに落とし込める「要件」のレベルまで詳細化できていないケースが大半です。
したがってSE(システムエンジニア)は、たくさんある要望の中から今回のシステムではこの範囲を実現します、といった説明ができなくてはなりません。その実現範囲を決める要素として、クライアントが最も解決したい課題を軸として優先順位をつけて取捨選択する、コストや納期などのプロジェクト状況をふまえた判断をする、といった論理的思考にもとづく考え方が必要になります。
SE一人でプロジェクトを動かすわけではないので、クライアントに対してもプロジェクトメンバーに対しても「○○という理由・根拠で××の選択をした」と納得してもらう場面が頻繁にあるはずです。
理由や根拠を説明するときに数字で表せると、自分も説明しやすいし、受け取る方も納得感がでるので、そのように心がけておくと良いです。
プロジェクトを推進するマネジメント力
SE(システムエンジニア)は、上流工程でシステム全体の設計図とそれを構築していくための体制や実行計画を作ります。もちろん決めた人的コストの範囲で、納期を守り、品質の良いシステムが提供できることが望ましいですが、現実はそう簡単ではありません。
プロジェクトを進める上では大なり小なり様々な問題が発生しますが、その原因を早く追求し、対策をとり、プロジェクトの進行にストップがかかってしまわないよう、調整役にならなければなりません。
そのためには以下のようなスキルが必要になります。
・プロジェクト内の各チーム間折衝能力
・各工程における品質管理能力
・代替案やリカバリープランの立案能力
発生した問題が大きくなってしまった場合など、プロジェクトメンバーだけでなく、クライアント側との調整が必要になる場合もあります。
そういった場合に備えてクライアントの信頼を得るためにも、目の前の問題解決だけに囚われず、リカバリープランや再発防止策などを踏まえたトラブルシューティングができるように立ち回ることがポイントです。
SEとしていくつかプロジェクト経験を積むことにより、普段の報告内容などから危険な予兆を察知することができるようになることもあります。システム開発においては、より前の工程において問題を検出・対策できると、後の工程で見つかる場合と比較して何倍も効果があるため、失敗した経験も活かしながらスキルアップしていくと良いと思います。
クライアントを納得させるコミュニケーション力
前の2つのスキルのところでも述べましたが、クライアントに対する進捗報告はもちろんのこと、仕様決定やトラブル報告などにおいても、SE(システムエンジニア)はクライアントへの説明機会がたくさん発生します。
当然報告する内容についてはきちんと説明できることは言うまでもありませんが、時には追加要望などあらぬ依頼をお願いされるケースも少なくないと思います。クライアントに好感を持ってもらうためには親身に聞いてあげることも大切ですが、システムを作っている開発メンバーからしたら「そんな聞いてないモノを今持ち込まれても!」と反発されることになります。
そういったトラブルを避けるためにも、クライアントとはどのような条件で合意をしたのか、前提条件はどのようなものが提示したのか、などきちんと抑えておき、いざというときの説得材料として論理武装しておくよう努めましょう。
SE(システムエンジニア)にオススメの入門本
これからSE(システムエンジニア)を目指す人、SE職にありながらも若干足踏み感を感じている人、そのような人たちに「何かを変える/何かが変わるキッカケ」をくれるかもしれない本たちをピックアップしてみました。
エンジニアとしての生き方 IT技術者たちよ、世界へ出よう!
出版社:インプレス
発売日:2011年3月11日
NTT研究所からマイクロソフト日本法人に転職後、米国本社へ移籍し、Windows95/98の開発やInternet Explorer 3.0/4.0の開発に携わった、中島 聡氏のブログを書籍化した本です。
日本からアメリカに渡り、いろいろな職場とエンジニアを見てきた中島さんが「エンジニアはどうあるべきか」について語ってくれています。前半では「日本のITベンダーがなぜ世界に勝てないのか」を中心に、後半は「エンジニアとしてどういうキャリアパスをたどるのか」について書かれています。
エンジニアにとっての英語でコミュニケーションができることの重要性、自分の能力・履歴書を発信すること、好きなことを仕事にすること、などに触れ、わかっているけれども「行動できていないのでは?」というセルフマネジメントについて考えさせられます。
発売日こそ8年前の書籍になりますが、エンジニアとして活躍している人が読んでもいろいろな気づきが得られるのではないかと。
これからエンジニアを目指す若者にもぜひ手にとって読んでいただきたい良書です。
プログラムはこうして作られるプログラマの頭の中をのぞいてみよう
出版社:秀和システム
発売日:2013年9月25日
Sunabaという著者が開発した言語をつかって、とあるブロックを積み上げるゲームを題材に「プログラムの作り方」を学べる本です。
数ある教本が始めから変数やループありきできれいなコードで説明するところを、この本では知ってることだけで書く失敗例(というか冗長例)を一つ一つ修正して、プログラム言語の仕様を適用しながら普通のコードに完成させていく流れになっています。
プログラムを初めて学ぶ人にとって「変数はなぜ必要なのか」といった考え方に着目しているところが特徴な本です。
つまりはタイトルどおりなのですが、プログラマは頭のなかでこう考えてコードを書いてるんだ、というアプローチなので、「なるほどなるほど」と納得感をもちながら読み進められます。
実務では使わない言語で説明されているのと、丁寧にコードを修正していく流れが遠回りに見えてしまうかもしれませんが、プログラミングの本質を理解するには近道になりうる良書です。
プログラミングを職業にしている人が新人に教えるような場面でも、本書は参考になるかもしれませんね。
SIerの教科書 〜クラウド時代のSEの常識
出版社:技術評論社
発売日:2014年6月18日
システムエンジニアが働く現場としてもっとも多いと思われる「情報サービス産業(SIer)」ですが、クラウドサービスが普及することで求められる常識が変化してきていることについてわかりやすく説明されています。
本書の内容的には、SEの開発現場にクラウドサービスが入り込んできているこのご時世にどのような考え方やスキルが必要とされるのか、平易に満遍なく解説されています。
技術的なスキルだけにとどまらず、SE(システムエンジニア)の立場で必要になるであろう提案力や課題抽出力などにも触れているので、SEは現場でこういう仕事をしているのだと理解するのに適している本だと思います。
発売日が5年前ということもあり、SIerを取り巻くクラウド環境そのもの、クラウド環境が目指す方向性もだいぶ変わってしまっている部分もあります。本書をキッカケにIaaS/PaaS/SaaSの最新状況を調べてみて、自分なりの常識に置き換えていくのをオススメします。
これからの時代IT業界で活躍できる場面も増えてきますし、現在IT業界への就職を考えている人も多いかと思います。
ですが、今までにIT業界で勤めたことがない人にとっては未知の世界であり、どのような仕事内容でどうすれば活躍できるのかなど全くわからない人も少なくありません。
またネットなどで調べてみると、「きつい」「帰れない」「給料が安い」と言った3Kを目にすることもあるかもしれません。
そこでこの記事では、IT業界の中でもSE(システムエンジニア)に注目して、
・SEはどのような仕事なのか
・SEの仕事は本当にきついのか
・SEがIT業界で活躍するために必要なこと
について解説していきたいと思います。
SEの仕事内容で大変なことは?システムエンジニアがきついと言われている理由
プログラマーであればプログラミングスキルを上達することが成功の近道となっていますが、システム開発全般に携わっているSEはやりがいもありますが当然大変なことも多くあります。
SEという仕事は「キツイ・帰れない・給料が安い」といった3Kのイメージを持たれている場合が多くあります。
システムエンジニアがきついと言われている理由をいくつか取り上げました。
納期
SEはシステム開発全般を管理する立場ですので、当然納期も気にしておかなければいけません。
ですが、顧客の中には短い期間の納期しか与えてくれない人も少なからずいます。
その場合には、残業や休日出勤も増えてしまいハードスケジュールとなってしまうので体力的に大変になってしまいます。
SEはプログラマーほどではないにしても、プログラミングスキルは当然必要になってきます。プログラマーに説明する際などには当然専門用語や意味を知っていなければシステム管理をすることができず、技術面でも新人のSEでは大変と感じてしまう部分があります。
SEは総合的な能力を必要としており、少しの失敗でも納期に間に合わないなど重大な失敗につながる可能性もあるため大きなプレッシャーを感じる機会が多くあります。
情報の更新が早い
また、IT業界は情報のサイクルが非常に速いため、新しい情報をどんどん取り入れる努力を怠ってしまうと、効率的に仕事ができないだけでなく、顧客に対してより良いサービスを提供できなくなってしまうので、受注できる仕事量が減ってしまう可能性があります。
ですので、SEの仕事をはじめて日常的に忙しくなってきたとしても、新しい情報は日々取り入れる努力をしなくてはいけないという大変さがあります。
残業時間
システムエンジニアがきついと言われている原因の一つが残業時間の長さにあります。
これは全てのシステムエンジニアに当てはまることではなく、働く企業の就業形態などによって変動してきます。
就業形態が定時で終了する公務員のような場合であれば、よほどのことがない限り残業時間が増えることはありません。
ですが、サービス業などのシステムエンジニアであれば自分に与えられた仕事が終わっていなければいつまでも仕事が終わることもなく、特に年度末や繁盛期などになれば終電で帰ることすらできない日々が続くなんてこともあります。
給料面
システムエンジニアは仕事量の割に給料が少なくてきついという言葉もよく耳にします。
これもさきほどの残業時間と同様に働く企業によって変動してきます。
残業時間が多くてもきっちりと残業代を支払ってくれている企業であれば、当然残業時間が長くなればなるほどに給料も増えてきます。
ですが、残業時間は長くても残業代が出ないいわゆるブラック企業の場合では、当然最初に契約した給料分しか支払われず残業時間は多いけれど給料は安くきついと思われてしまいます。
ただし、そういったブラック企業が大半を占めているわけではなく、ほとんどがきちんと残業代を支払ってくれる企業なので、一般的なサラリーマンと比較しても年収で100万円ほどシステムエンジニアのほうが多いのが現実です。
人間関係
システムエンジニアをしている人の多くは人付き合いが苦手なことが多く、人付き合いが苦手だからこそ人間関係がきついと感じてしまっているようです。
当然この人間関係というものは個人差があるもので、自分ではきついと思っていることでも他人から見たら何てことないということもあります。
また、社会に出ていく中で人間関係というものは絶対について回るものですので、システムエンジニアに限らず人間関係は必要です。そしてシステムエンジニアとして将来フリーで活躍したいと考えるのであれば、人間関係は非常に重要になってきます。
他にもシステムの開発にはチームで行っていくのが通例ですが、SEは全体をまとめるのも仕事の一つになってきますので、仕事を円滑かつ確実に進めていくためにもスタッフに対して細かい配慮をしていかなきといけないので、人間関係で大変と感じる人もいるようです。
そして、顧客との打ち合わせの中でも大変なことはあり、全ての顧客がシステムに対しての理解力が高いわけではありませんので、誰もが納得する説明を心がける必要があります。
顧客の中にはワガママを言ってくる顧客もいますので、それらすべてを円滑にまとめなければいけない大変さも。
システムエンジニアの仕事がきついと感じたときの対策
フリーランス
システムエンジニアがきついと感じたときに、一番に思いつく解消方法はフリーランスのシステムエンジニアになることではないでしょうか。
確かにフリーランスのシステムエンジニアになってしまえば、今まで企業に属していたときよりも断然自由に仕事をすることができ、給料面でも自分が思った通りの給料を得ることができます。
ただし、このフリーランスのシステムエンジニアになるためには、システムエンジニアとしての確かな実績やクライアントとの折衝など人間関係も必要になってきます。
当然与えられた仕事をこなすのではなく、自分の能力一つで稼ぐことができるので、企業で働くシステムエンジニアよりもストレスを感じることなく、仕事をこなしていくことが可能です。
スキルがある+会社員としての人間関係に疲れたのであればフリーランスになりましょう!
目標を設定する
これはシステムエンジニアに限った話ではありませんが、確かな目標を設定することで仕事がはかどりやる気もでてきます。
これは何の目標もなくただ言われたことだけをこなしていくよりも、断然仕事に対する思いが高まり仕事自体が楽しく感じられる人もいます。
また、明確に目標設定することで仕事としてのクオリティーも高くなり、結果として給料のアップなど目に見える結果も付いてくるので、どんな仕事でも目標を設定することは重要です。
ストレスの発散
これもシステムエンジニアに限った話ではありませんが、きついと感じたのであればストレスを発散してしまうことです。
休日などにできる趣味などを見つけてストレスを発散することができれば、どんなにつらい仕事であったとしても乗り切ることができるようになります。
ストレスを発散することで全てが解消するわけではありませんが、特に人間関係でストレスを感じてしまう場合には、ストレスを軽減させることできついと感じていたことが少しでも軽減することができます。
会社以外にコミュニティがあるとベストです!
SEこそIT業界を支えるポジション!
ここまで解説してきたように、SEは正直大変と感じてしまう部分も多くある職種です。
ですが、システム開発の最初から最後まで関わっていますので、システムが完成して納品した際には当然やりがいを感じることができます。
また、顧客に対してのアフターケアも業務に含まれていますので、顧客の喜ぶ顔を直に感じることができる仕事です。
そして、プログラマーの中にはプログラミングスキルはすごくてもコミュニケーション能力が少ない人も多くいて、プログラミングスキルだけでは仕事を受注できない人も多くいます。
そういった中でコミュニケーション能力も高くプログラミングスキルも持ち合わせたSEがいるからこそ、IT業界が今日まで発展してきた大きな要因となっています。
確かに専門知識の豊富なプログラマーは必要ですが、SEが仕事を受注して設計書を作成するからこそ輝く仕事になので、SEとして働くことはIT業界だけでなく日本全体を支えていく仕事でもあるんです。
そして、現在はAIに関する知識はそれほどSEにとって重要視されていませんが、これから先はAIに対する知識を持っていないSEはどんどん衰退していく時代がきます。
逆にAIの知識を身に付けているSEであれば、これから先のIT業界にとって心強いSEとなることができます。
これからのSEはAIの知識が必要と言いましたが以下でさらにIT業界でSEとして活躍するために必要なことを紹介します。
IT業界でSEが活躍するためにやるべきこと3つ
SEがいなければIT業界の発展にはつながらないと解説してきましたが、そこに慢心せず当然日々の努力が必要になってきます。
そこでここでは、SEがIT業界で活躍していくためにやるべきことについて解説していきます。
知識を更新し続ける
IT業界は日々進化しており、技術の進歩だけでなくプログラミング言語やデータベース・ネットワーク・セキュリティなど、SEとして必要なことは日々進化しています。
確かに日々の業務で大変かもしれませんが、大変だからと新しい技術や知識を身につけていくことができなければ、ハッキリ言うと、
IT業界から置いていかれることになります!
ですが、そんな知識の更新も難しいことではありません!
実は、日々の生活の中でも知識を得ることは容易何です。
多くの人がスマートフォンを利用しているかと思いますが、そんなスマートフォンでも使い方次第ではSEとして必要な知識を得ることができます。
スマートフォンを使って情報サイトやニュースアプリの閲覧ももちろんのこと、TwitterやFacebookを利用して現役のSEをフォローするなどしても、自然と情報が流れてきますので、毎日スマートフォンを触れているだけで簡単に新しい情報を得ることができます。
ただし、公式の情報でない可能性もありますので、全てを鵜呑みにするのではなく新しい情報を得たときには自分で調べる癖を身につけておくとより良いでしょう。
また、普段の生活の中でも社会経験などを積んでいくことで、新鮮な知識を身に付けていくことができるので、様々なことにトライしていく姿勢が重要です。
そして、誰もが嫌がる失敗ですが、失敗を恐れていては何も生み出すことはできませんので、無謀な挑戦はいけませんが、様々なことにトライして失敗することもSEとして成長していくためには必要なプロセスだということを理解しておきましょう。
インプット/アウトプットを忘れない
SEとして上達していくために知識のインプットをしている人は多いかと思いますが、インプットと同様にアウトプットすることも非常に重要な要素です。
当然インプットしていくことは大事ですが、インプットしただけでは知識として身につかないもので、アウトプットすることで初めて自分の中に流れ込んでくる知識となっています。
そして、アウトプットすることは何も知識の向上につながるだけでなく、他人と会話する機会を増やすことにもなりますので、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
こんな話が出てくるとアウトプットする機会がないとか、人前で話すことは恥ずかしいという人もいますが、そこまでおおげさに考える必要もありません。
アウトプットのイメージとして多いのが、講義などを行う方法ですがそこまでおおげさでなくても、友人や上司に話していくことも立派なアウトプットになっていますし、ブログなどを使って開発したシステムを公開することもアウトプットになっています。
また、ブログなどで公開したシステムは、一般公開することで評価をしてもらうことができますので、それらの評価からまた新たな可能性を見出すこともできるようになります。
特に一般公開するブログでは、多くの人に見てもらえるので完成度の高い記事を書かなくてはいけません。
他にもプログラミングスクールで勉強してきた人であれば、受講したプログラミングスクールで講師として講義していくことも、育成だけでなく自身の見直しにも役立つ方法になります。
このように配慮をしながら書くことでより効果的にアウトプットしていくことができるようになるので、トライしてみてください!
勉強を怠らない
SEにとって必要なスキルの一つであるプログラミングスキルですが、プログラミング言語はいくつか知っておかなければいけません。
プログラミング言語の1つはマスターしたから大丈夫と考えていては、SEとして上達していくことはできません。
いくつかのプログラミング言語を知っておくことで、その仕事仕事によって最も的確なプログラミング言語を選択することが可能になるんです。
一つのプログラミング言語をマスターすることも大事ですが、プログラミング言語にはそれぞれ利点・欠点・癖があることも覚えておいてください。
それらを理解しておくことで、現場によって的確なプログラミング言語を判断することができます。
他にも現場で実際にプロのエンジニアが書いたソースになれるためにも、システムのソースコードを追う練習がおすすめ。
1つの機能を完璧に追うことができるようになることで、ほかの検索機能なども追えるようになってきます。
実際に現場にメンテナンスに行ったときに設計書がなくソースコードが全てということもありますので、日ごろからソースコードを追う練習に取り組むのがいいでしょう。
他にも資格を取得することでスキルアップにつなげることもできます。SEにおすすめの資格として応用情報技術者の資格で、この資格を取得することで、最低限のネットワークやデータベース、セキュリティ関連の知識を身に付けることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の記事では、SEの仕事内容からSEがIT業界で活躍するためにやっておくべきことまで解説してきました。
当然、これからもITの技術は進んでいくので、今後もSEは重要なポジションになってきます。
その際に最新の知識や情報を入れておかなければそんな時代についていくことはできません。
そこでこの記事を参考にしていただき、これから先SEを目指していくのであれば、どのようなことが必要なのかをしっかりと理解し、日々の勉強を怠ることなく学び続けることでSEとして活躍していってください。
みなさんがSEとして、活躍されることを願っています!
WRITER

コードランとは、プログラミング初心者や副業/フリーランス向けに、プログラミングスクールの評判や口コミを比較できるサイトです。 スクール比較のほかに、現役エンジニアたちが現場で活躍できるようになるまでのストーリーや 「未経験でもプログラマーになれるの?」「 スキルアップするには何からはじめればいいの?」「 フリーランスはみんなどうやって稼いでるの?」 「実際のお給料は?」 など、プログラミングを志すみなさん向けの記事を集めています。