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SESがIT業界でグレーゾーンとよばれながら無くならない本当の理由

エンジニア転職

公開日 : 2020年02月24日 | [更新日]

エンジニアの方や、エンジニアを目指しているという方は、「SES」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかしながら、IT業界で働いている人でも、ひいてはSES契約で働いている人でも、その仕事はどんな内容で、企業間でどのような契約を結んでいるのかを正確に説明できる人は多くはいないようです。

また、「SES」と検索すると、「ファーストキャリアにすべき」や「スキルアップができる」という好意的な言葉が出てきます。

一方、「グレー」や「違反」など批判的な言葉も出てくるのも事実です。一体、どちらが本当なのでしょう。同じ言葉、同じ仕事であっても、良い印象を持っている人、悪い印象を持っている人がそれぞれいます。

今回は、いい印象・悪い印象どちらもあわせ持ったSES契約について見ていきます。

なぜSESがIT業界でグレーゾーンとよばれながら無くならないのか。その本当の理由」を解説していきます。

そもそもSES契約ってなんなの?

SES契約とは何か

 

SES(System Engineering Service システム・エンジニアリング・サービス)契約とは、IT業界における業務委託契約の一つです。ITシステムの開発・保守・運用などの一連の業務が契約対象となります。

SESで契約したエンジニア(以降、SESエンジニアと呼称)は、通常発注元であるクライアントが指定する勤務場所で作業をします。クライアントが支払う対価は、SESエンジニアが働いた時間数に応じて決定されます。

SES契約のことを「準委任契約」と言う場合もあるようです。また、SES契約には、成果物への責任がありません

SES契約とその他の契約形態との違い

SES契約とその他の契約形態との違い

 

IT関連の契約の方法には、「SES契約」以外に2種類の形態があります。

派遣契約

SEに限らず派遣メンバーを発注先に派遣して、発注先で作業を行う契約の形態です。派遣メンバーへの作業指示は発注先の担当者が行います。なお、派遣元企業は、派遣業務を行う旨の許可を得る必要があります。

請負契約

発注元から依頼された条件や仕様に従って、システムを作成と完成を約束する形態です。請負契約には成果物に責任があります。受注側は成果物を納品し、クライアントは納品物に対しての対価を支払います。

SES契約と派遣契約の違い

それは「誰が作業の指示をするか」です。
この2つは似ているように見えますが、作業の指示の方法に違いがあります。
SES契約は、業務請負の一種とみなされているので、作業指示を発注元が行うことは禁止されています。

対して、派遣契約は、作業指示を派遣先が行うことは禁止されていません。(派遣先従業員と同等の扱いがなされます)
SESエンジニアからみれば、誰から作業指示が来るかの違いです。(これが、グレーゾーンと言われる要因ですが、詳しくは後述します)

SES契約と請負契約の違い

違いは大きく2つあります。SES契約と請負契約の違いの1つは、システム仕様書やプログラムなどの「成果物に対する責任が有るか無いか」で、もう1つは「対価の支払い条件」です。

「成果物に対する責任の有無」(成果物責任)とは、仕事をクライアントの要望通り完成させる義務のことです。SES契約には、「成果物責任」がありません。SES契約の義務としてあるのが「善管注意義務」です。

「善管注意義務」とは、善良な管理者の注意をもって作業をする義務のことを指します。

SES契約の対価の支払いは、働いた時間に応じて決定されるのが一般的です。請負契約の場合は、仕事が完成し、発注者の意に沿った成果があった場合に報酬が支払われます。(補足:意に沿わない成果であっても支払いされないことは殆どなく、修正で対応します)

SES契約と委任契約の違い

ここでは、「委任契約」と「準委任契約」の違いを述べます。なぜなら、「SES契約」は、「準委任契約」だからです。

「委任契約」と「準委任契約」の大きな違いは「法律に関わる行為」の有無です。 委託された作業が、法律に関する行為を「委任契約」、そうでない場合を「準委任契約」と言います。

たとえば弁護士に弁護を依頼することは法律に関わる行為にあたりますので委任契約となります。SESエンジニアが行う業務は法律に関わる行為ではありません。従って、準委任契約となります。

エンジニアがSESで働くメリット

SES契約で働くメリット

 

大きく次の2つ挙げられます。

1.スキルアップ

SES契約は、クライアント先で業務を行います。システム開発・保守・運用の考え方や文化は、そのクライアントやそこで働いている人たちによって違いがあります。また、案件によっては、今まで知らなかった知識やノウハウ等を学ぶことが可能です。今後、SESとして働くにしても、他の形態のエンジニアとして進んでいくにしても、ここで得られる経験や知識は、得難いものとなるでしょう。

2.安定した報酬

定められた時間数を働くことによって、安定した報酬を得ることができます。とはいっても、お金をいただいて働いているわけですから、決められた時間は職務に専念する義務があります。いい加減な働き方をすることは許されないことは言うまでもありませんよね。
発注元(クライアント)側のメリットも見てみましょう。それは、即戦力の確保です。SES契約を活用すれば、業務を推進するうえで不足しているスキルを持つ人材と契約をすることができます。研修や教育等を行わずに人材の確保を行うことができますので、クライアントとしては大きなメリットになります。

エンジニアがSESで働くデメリット

SES契約で働くデメリット


帰属意識が薄れる

職場が転々と変わりやすいので、SESベンダー(自分の会社)への帰属意識が薄れることがあります。クライアント先に常駐し、クライアントや自分と同じように他社から常駐している人たちと一緒に働いていれば、自分の会社に愛着がわきにくくなるでしょう。

報酬が安い

報酬に関しては、高いSES/安いSESの両方がありますので、一概には言えませんが、相対的に他の契約形態よりも安く設定されていることが多いということが言えます。
しかし、報酬の高いSESもあります。
私は発注者として契約業務に携わっていたことがあります。そのとき時間単価の高いSES契約と、そうでもないSES契約の両方の手続きをしていました。その違いは、その人のスキルレベルの違いです。

スキルレベルが高く、その人にしかできない仕事であれば単価は高くなります。反対に、スキルレベルがそれほど高くなく、誰でもできる仕事の場合は低くなります。

報酬の高いSESエンジニアとなるためにも、スキルレベルを向上させる、あるいは自分にしかできない仕事ができるようになることが必要です。

SESがグレーゾーンと言われる理由

SESがグレーゾーンと言われる理由

 

多くの企業が利用している「SES」という形態。それが、なぜグレーゾーンと言われるのでしょうか。その理由は次の通りです。

作業を指示する人が不明確

SES契約では、作業の指示はSESベンダーの責任者が行わなければなりません。ところが、これを発注元の担当者が行っているケースが見られます。作業の指示を誰が行ったの証拠を残すことは非常に難しいのです。

SES契約において、作業の指示を発注元の担当者が行うことは法律違反なのですが、販売の担当者もSESベンダー側の担当者も、分かっていない場合が多くみられます。この曖昧さがグレーゾーンと呼ばれている所以です。

実態が二重派遣になっている

システム開発は、多くのエンジニアが色々な会社から集められて進めていきます。発注元とベンダーの間に契約が派遣の場合、ベンダーを通して他の会社の従業員が発注元に派遣されるスタイルは、「二重派遣」となり法律で禁止されています。

ところが、発注元とベンダーの間の契約がSESの場合「二重派遣」となりません。これは、書面上の話であり、実際に発注元作業指示を行っている場合は、派遣と同じになりますので、違法行為みなされます。このように、請負の契約でありながら、実態は派遣になっていることを「偽装請負」といいグレーゾーンと言われる所以です。

最近よく聞くSESとは?「SESはやめとけ」と言われるホントの理由

SESが無くならない理由

SESが無くならない理由

 

法律違反が常態化しているのにSESが無くならないのは何故でしょうか。それは、発注元にもベンダーにも利用価値が高いビジネスモデルだからです。

人手不足により、外部要員に頼らざるを得ない

いまや社会にITの存在は無くてはならないものになりました。そのため、IT業界は慢性的な人手不足に陥っています。そして、今後それはより一層深刻になっていくでしょう。IT企業は、自社の欲しいスキルを保有した正社員を採用する事が難しくなってきている現状になっています。

更に、システム開発はプロジェクト形式で進めていきます。プロジェクトの進み方に応じ、必要なスキル、必要な人数は変化していきます。プロジェクトが終了すれば解散しますので、多くのエンジニアが不要になってしまうといった問題があるのです。

企業としては、継続的に雇用し続ける必要のある正社員よりも、外部からエンジニアを集めてプロジェクトを結成することが合理的ですよね。

必要な時に、必要なスキルを持ったエンジニアを、必要な人数だけ確保することができるSESという仕組みに頼らざるを得ない現実があるのです。

SESはベンダーにも利用価値がある

必要な時に、必要なスキルを持ったエンジニアを、必要な人数だけ確保したいのであれば、法律違反の可能性があるSESではなく、派遣のほうが良いと思いませんか。であるにもかかわらず、SESを行うのは、作業の指示をベンダーの責任者が行えるからです。

また、エンジニアにとしても、発注元の言いなりにならずに済むため、SES契約を望む人が多いようです。

私の経験をお話します。ある社員数が10名程度の規模のSESベンダーでは社長以外全員がSESを行っていました。事務所は社長の自宅マンションの一室を使っているだけです。社員全員がSESとして発注元に出向いて作業をしているのですから、自社(自宅マンションの一室)にいることは殆どありませんので、それくらいのスペースでも十分なのです。

その社長は数年前に、将来は受託開発ができる企業を目指してフリーランスとして独立しました。しかし、いきなり受託開発を受注することは出来ませんので、手始めに自分がSESを行うことからスタートし、少しずつ従業員を増やしていって今の状態になったということです。
このように、SESは受託開発やSESで経験を積んだエンジニアが起業するのにもってこいのビジネスモデルでもあるのです

SESでホワイトな企業はあるの?

SESでホワイトな企業はあるの?

 

ここまでの話から考えれば、疑問に思いますよね。SESとして働く事に不安を覚えるかたもいると思います。

でも、大丈夫です。ホワイトな企業はあります。最近は、ホワイトな企業も増えてきている状況です。ここでは、ホワイトな企業の見極め方を紹介します。

制度や福利厚生を充実している

SESのベンダーにとって、エンジニアは最も大切なリソースです。エンジニアの数の増加は、そのまま業績向上につながります。エンジニアの数が増えれば、売上が向上し利益が向上しますので、積極的に採用するのは当然のことです。

反面、採用したエンジニアが辞めてしまっては業績向上を果たすことはできません。こうした、エンジニアを大切にするベンダーであれば、SESとして働くことは、その価値を最大限に生かすことのできる1つの選択肢です。

最先端の技術に情熱を傾けている

これは、お会いしたことのある20代のSESベンダーの社長のお話です。その会社は、設立数年目なのですが、その会社が行っている事業は、AI(人工知能)の技術的サポートをクライアント先に入り込んで行うのですが、その技術力の高さで大手企業から引く手あまたの状態です。

当然、クライアントとの契約金額も大きくなりますので、その分をエンジニアのスキルアップや福利厚生につなげています。

年齢層の高いエンジニアが多く活躍している

自分が長く(例えば定年まで)活躍したいなら、それが実現できている企業かどうかを見極めましょう。それには、その企業に年齢層の高いエンジニアが多く活躍しているかがポイントになります。

年齢層の高いエンジニアが活躍しているということは、途中でやめない、あるいは年齢が上がってから入社してきたことの現れです。それを可能としているのは、マネジメント等の「その年齢に応じた仕事がある」ことや「その年齢に応じた仕事が受けられるようにする教育体制がある」ことが考えられます。

そのような仕事をクライアントから受注できるだけの営業力も高いということであり、クライアントとの信頼関係も堅いことが予想されます。

反対に、避けたほうが無難なSESベンダーは、上記とは真逆の「制度や福利厚生がほとんどない」「技術力を売りにするのではなく、労働力を提供している」や「従業員が若手ばかりである」という特徴を持っていることが多いです。

まとめ

フリーランスとして独立するSESは最初の方法として有効な手段

 

SESは、大小様々な企業が存在するあまり、ネガティブイメージがあります。

しかし、IT業界の今後の発展を語るうえで欠かせない存在です。スキルアップや安定した報酬などの良いところがあります。

また、フリーランスとして独立する最初の方法として有効な手段でもあります。

これからSESを目指す方は、契約の中身を理解し、ホワイトな企業を見つけ出して、エンジニアとしての価値を高めて下さい。

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