「プログラミングスクールは必要ない」?理由とメリット・デメリットを解説
プログラミング学習公開日 : 2022年07月15日 | [更新日] 2023年04月01日
プログラミング学習について調べていると、「プログラミングスクールは必要ない」「プログラミングスクールへ通わずに独学で十分」という意見を目にすることが多いのではないでしょうか。
たしかに、職業としてプログラミングを行っている人の中で、プログラミングスクール出身者の占める割合はそれほど高くありません。そのことも、プログラミングスクールが必要ないと言われる所以の一つでしょう。
しかし、その意見を言っている人にとっては「プログラミングスクールは必要ない」かもしれませんが、それが万人に当てはまるわけではありません。実際に、プログラミングスクールに通った後にエンジニアとして活躍している人たちも数多く存在します。
これを読んでいるあなたにとって、プログラミングスクールは必要なのかどうか。それとも、他の勉強法の方が良いのか。じっくりと考えるための参考になれば幸いです。
(※すでにプログラミングスクールを検討し始めている……という方には以下の記事もおすすめです!)
目次
なぜプログラミングスクールは「必要ない」と言われるのか
そもそも、なぜプログラミングスクールは「必要ない」と言われることが多いのでしょうか。
プログラミングを楽しんでやっている人が多いから
エンジニやプログラマーの中には、小さい頃から趣味としてプログラミングをやっている人がたくさんいます。そういう人たちは、自分で情報を集めてコードを書き、暇な時間が出来た時も趣味の時間でコードを書き……ということを日常的に繰り返しています。そういう人たちが、「何故わざわざお金を払ってプログラミングを勉強しなくてはならないんだ?」と考えるのは不思議なことではありません。
楽しんで学べる分野であれば、時間をたくさん割けるので、吸収スピードも早いです。独学の場合は寄り道も多くなってしまいますが、それすら楽しめるでしょう。
ところが、プログラミングに対してまだ楽しさを見いだていない段階で勉強を始めると、苦しさの方が勝ってしまうことの方が多いでしょう。そういった意味では、初心者がプログラミングスクールで学ぶ意味は十分にあると思います。
プログラミングスクールは内容が薄いと思われているから
玄人プログラマーからしてみれば、プログラミングスクールで学ぶような内容は非常に初歩的なものです。こんな簡単なことを学ぶために高いお金を出すのは何故なんだろうと思ってしまうのも当然のことです。
しかし、世のエンジニアたちが勉強にお金をかけていないかというと、そういうわけではありません。優秀なエンジニアは、技術書を買って空いている時間に読んでおり、スキルアップに余念がありません。
たしかに、プログラミングスクールで学べるような難易度の内容であれば、数千円の技術書を数冊購入すれば補えるでしょう。しかし、初心者にとっては難しい内容を含んでいることも多く、なかなか理解するのが難しい場面もあるでしょう。
プログラミングを勉強していると、人に聞けば一瞬で解決することに何時間もかけてしまうことがざらにあります。そういう無駄な時間を省くために、プログラミングスクールにお金をかけるのは一つの選択肢であると思います。
プログラミングスクールの受講料が高いから
プログラミングスクールの受講を考える際に最も大きな障壁となるのは、その受講料の高さでしょう。「これだけの値段を払って受講する価値があるのか?」と不安になるのも分かります。
しかし、考えてみれば私たちは人生の中で教育に対して多額の投資を行っています。たとえば4年生の大学に通おうと思えば、国立でもトータルで250万円程度、私立の場合は500万円ほど払います。それに比べると、プログラミングスクールの数十万円は決して高い金額でもありません。
もちろん、ただ漫然と学ぶのであれば数十万円の投資はかなり高いです。しかし、自分のレベルに合わせて使いこなす意志があれば、プログラミングスクールは非常に費用対効果が高い教育投資となるでしょう。
挫折する人の多いイメージがあるから
プログラミングスクールの情報を集めていると、「挫折」という言葉を目にすることもあるかと思います。
たしかに、プログラミングスクールに通って途中で挫折する人がいるのも事実です。また、高いお金を払った割には、あまり時間を割けずスキルアップにつながらなかったという方もいらっしゃるでしょう。
挫折する方が一定数いるのは仕方ないことです。大学や専門学校の場合も、選んだ道が合わずに退学を選ぶ人がいます。
挫折しないために、自分は本気でプログラミングを学ぶ意志があるのかを再確認しましょう。プログラミングスクールに通う前に、少しだけ独学をしてみてプログラミングをある程度楽しめるかどうか確認してみるのも良いでしょう。
プログラミングスクール卒業生は即戦力にならないと言われているから
プログラミングスクールに通う方は、スキルアップして即戦力として働きたいという場合が多いのではないかと思います。しかし、「プログラミングスクールの卒業生は、スキルレベル的に即戦力にならない」という声もちらほら耳にします。
もし「プログラミングスクールに通うだけで将来安泰」と考えているのであれば、それは間違いでしょう。数十万円払っているとはいえ、数ヶ月〜1年ほど勉強しただけで、自発的に長い間プログラミングの勉強をしている人々に勝てるわけがありません。エンジニアとして働きたい、スキルアップしていきたい、と考えているのであれば、スクール卒業後も勉強を続けていく必要があります。
プログラミングスクールは、あくまでプログラミング学習の初期段階をサポートするものです。そこから自分でWebサービスやアプリを作ったりすることで、スキルアップを図ったり、自分のスキルを目に見える形にしていく必要があります。
プログラミングは独学でも勉強できるから
「プログラミングなんて独学でも勉強できるから、スクールなんて必要ないじゃん」という声も耳にするかと思います。
はっきり言うと、プログラミングは独学でも勉強できます。先にも書いたように、趣味としてはじめたプログラミングを仕事にしている方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、独学には向き不向きがあります。実際にプログラミングを勉強してみようとすると、「何から勉強したら良いのか分からない」「何が間違っているのか分からない」ということが頻発すると思います。その壁を一人で乗り越えられるなら、独学でも勉強を進められるでしょう。
しかし、独学で最初に躓いた場合は、プログラミングが嫌になって学習が全く進まない可能性があります。プログラミングスクールは、今後の人生の中で独学を進めていくための最初の基礎づくりとして考えると良いでしょう。
プログラミングスクールは必要? 判断のポイント
プログラミングスクールに通った方が良い方もいれば、通う必要がないという方もいらっしゃいまう。しかし、自分がどちら側なのか簡単には分からないですよね。
そこで、プログラミングスクールに通うことのメリット・デメリットを紹介しますので、参考にしてみてください。
プログラミングスクールのメリット
まずは、プログラミングスクールのメリットから紹介します。
学ぶ内容がパッケージ化されている
プログラミングスクールは、学ぶ内容がパッケージ化されています。「Web開発コース」「アプリ開発コース」「AI開発コース」などが代表的なもので、それぞれのコースではその分野の基礎的な知識を学ぶことができます。
初学者の場合、何から勉強を初めて良いのか分からない場合が多いでしょう。情報収集をすればするほど、新しい言語や技術の名前が出てきて、余計に分からなくなったという方もいらっしゃるはず。
プログラミングスクールに通うことで、基礎となる知識を自分の中にインストールできます。
強制的に学ぶ環境に身を置ける
独学で勉強しようとすると、「今日は疲れてるし勉強しなくて良いや……」「明日がんばろう」と言いながら、ずるずると勉強を先延ばしにしてしまいがちです。
プログラミングスクールの場合は通学日が決まっていたり、進捗の目安があったりするので、強制的に学ぶ環境に身を置くことになります。怠けがちな人は特に、スクールなどに通って自分を律するのがおすすめです。
有識者に質問できる
プログラミングは、単純なミスで躓くことが非常に多いです。ちょっとしたスペルミスで動かないことはよくありますし、簡単なエラーで数時間を無駄にすることも少なくありません。そんな時、プログラミングのことが分かっている人がそばにいれば、質問して解決できます。
身近にプログラミングのできる人がいれば、その人に質問してみても良いでしょう。しかし、何度も質問していると、質問している側も気が引けてくるのではないでしょうか。その点、プログラミングスクールはお金を払っているので、気兼ねなく質問できます。
プログラミングスクールのデメリット
それでは、プログラミングスクールのデメリットは何でしょうか。
お金がかかる
プログラミングスクールのデメリットとして最初に頭に浮かぶのは、何といっても高額な受講料でしょう3ヶ月ほどのコースでも数十万円かかるので、これは非常に大きな投資です。また、物と違って目に見えるものが手元に残るわけではないので、その点でも不安が残るでしょう。
しかし、考えてみれば高校以降の教育で私たちはかなりの金額を自分に費やしています。奨学金を借りてまでも、将来のために大学へ通うという方もいらっしゃいますよね。
大学を卒業すると、大卒として就職活動を行うことができます。プログラミングスクールの場合、それと全く同じというわけにはいかないのですが、少なくともプログラミングの基礎を学んだ状態で就職活動に臨めます。
就職が保証されているわけではない
当たり前のことではありますが、プログラミングスクールを卒業したからといって必ずエンジニアとして就職できるわけではありません。これは、大学を卒業しても必ずしも良い会社に就職できるわけではないのと似ていますね。
同じ大学を卒業したとしても、就職できる会社のレベルは人によって異なります。それは、その人自身の才能によるところもありますし、在学中にどのような勉強をしたか、どのような経験をしたかにも左右されます。
せっかくプログラミングスクールに通うのであれば、それを最大限に活用し、就職活動に生かすことをおすすめします。
プログラミングスクール以外の選択肢
プログラミングを勉強するにあたって、プログラミングスクール以外の選択肢にはどのようなものがあるのでしょうか。
大学で学ぶ
プログラミングは大学でも勉強できます。総合大学の場合は、「情報」などの科目で基礎的なITスキルを学んだりします。
より専門的に学びたい場合は、情報工学を専攻する学部に入ることになるでしょう。「情報電子工学科」などという学科名になっていることが多いです。
ここではプログラミングの技術も学びますが、もっと専門的に情報工学のことを学ぶことになります。そのため、職業エンジニアとしては使わない技術も多く含まれています。また、4年間通うのもかなり長い時間を費やすことになります。
専門的に情報工学のことを学びたい、4年制大学を卒業しておきたい、ということであればかなり良い選択肢になるでしょう。逆に、「即戦力のエンジニアになりたい!」という方にとっては遠回りになるかもしれません。
専門学校で学ぶ
プログラミングを学べる専門学校も全国各地にあります。基本的には2年制のところが多く、卒業すると「専門士」の称号を得ることができます。
大学よりは短いものの、基本的にはプログラミングスクールよりも長い期間学ぶ必要があります。しかし、学べる内容は凝縮されているので、場合によっては専門学校も選択肢に入るかもしれません。
カリキュラムなどを確認して、自分が進みたい方向の勉強ができるかを確認するのがおすすめです。
独学よりプログラミングスクールがおすすめ?
ここまで、「プログラミングスクールは必要ないのか?」というテーマでさまざまな角度から考えてきました。
「プログラミングスクールにいかなくても、独学でOK!」かどうかに関しては、やはり「人による」と言わざるを得ません。
でも、自分が独学に向いているかどうか分かりませんよね。そこでおすすめなのが、とりあえず独学で初めてみることです。
独学は今すぐ始められます。YouTubeで「プログラミング 学習」と調べてみても良いでしょう。本屋さんやAmaozonには、各言語の入門書が並んでいます。ProgateやUdemyといったように、非常に安価に学べる教材もたくさんあります。
そういったものを参考にして、まずは手を動かしてみる。すると、自分が分からないところが見えてくると思います。それを自分の力である程度解決できるのであれば、独学に向いているでしょう。しかし、何回やっても身につかないという場合は、独学に向いていない可能性があります。その際は、プログラミングスクールへの通学も検討してみましょう。
長い時間をかければ、独学でもプログラミングの勉強を進めることはできるでしょう。しかし、時間は有限です。独学で3年かかるような内容を、プログラミングスクールに通えば半年で習得できるかもしれません。
それに数十万円かけることに価値があるかどうか。それは皆さんの価値観次第ですが、今いる環境から抜け出して新しい職を手にしたいという場合は、十分に価値のある投資なのではないかと思います。
さいごに
繰り返すようですが、プログラミングスクールが必要かどうかは人によります。この記事で語ってきたことをヒントにして、自分の納得のいく道を進んでいただければと思います。
プログラミングスクールに興味が出てきたという方は、以下の記事でおすすめのプログラミングスクールを詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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