今、注目の「No Code」| コードなしでアプリ・Webサービスが作成可能って本当?
ニュース公開日 : 2020年03月19日 | [更新日] 2023年10月01日
「Webアプリやサービスを作ってみたいけど、プログラム開発(コーディング)って難しそう。」
と不安な気持ちを感じていませんか?システム開発で一番頭を悩ませるのが、プログラムを書くこと(コーディング)です。
コーディングとは、
プログラムへの指示を「パソコンが分かる文字列(コード)」に書き換えること。
パソコンにとって理解しやすいコードは、人間にとって理解しやすいものではありません。
それでも私たちはシステムを動かすため、そんな分かりづらいプログラム言語を一生懸命勉強して、コーディングをしています。多くのエンジニアにとって、コーディングは「避けては通れない高い壁」のようなものです。
しかし、最近では「No Code」と呼ばれる開発手法が主流になりつつあります。No Codeはノンコーディングの略。
つまり、コーディングなんかしなくてもアプリが開発できちゃう!?難しく大変なコーディングを必要とせず、簡単にアプリやサービスの開発ができたら楽しそうですよね。
でも、本当にそんなことができるので
しょうか?No Codeとは、いったいどんなものなのか。ここから一緒に調べてみましょう。
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目次
- そもそも「No Code」って?
- NoCodeの弱点
- 「No Code」でスタートアップが大型資金調達
- 全てのコーディングが不要になる?
- NoCodeが流行るとエンジニアは稼げなくなる?
- NoCodeはどうやって学ぶの?
- 「No Code」でよく使われるおすすめサービス【Webサイト制作】
- 「No Code」でよく使われるおすすめサービス【アプリ制作】
- 「No Code」でよく使われるおすすめサービス【作業効率化】
- 「No Code」でよく使われるおすすめサービス【作業自動化】
- 「No Code」でよく使われるおすすめサービス【音声・チャットボット】
- 「No Code」でアプリやWEBサービスを作る前に参考にしておきたいもの
- まとめ
そもそも「No Code」って?
No Codeとは「ノンコーディング」の意味です。文字通り「コーディングなし」で、アプリやWebサービスを開発するための手段やツールを総称しています。
アプリやWebサービスを開発するにあたり、非常に多くの時間とコストを必要とするのがコーディングです。そんなコーディングを必要とせず、マウス操作のみで開発が可能となれば、短時間かつ簡単にシステムを構築できます。
数時間かけて設計からテストまで行っていた作業が、たった数回のクリック操作で完了してしまうのです。コーディングは、プログラムをコンピュータに理解させるための作業でしたが、No Codeにより「人」が理解しやすい形に変化していきます。
そんなNo Codeで提供されるサービスはさまざまです。Webサイトを簡単に製作するためのサービスもあれば、既存のWebサービスを連携させて効率化するためのサービスもあります。目的に応じて、サービスを使い分けていきましょう。
NoCodeの弱点
プラットフォームの動きに左右されてしまう
これはどういうことかというと、自分が使っていたプラットフォームがある日突然サービスが終了してしまったり、使用料を引き上げた時にコストが高くなりすぎて困るということです。
NoCodeの場合、自分の作ったものの維持がプラットフォーム頼りになってしまうので、サービス終了されてしまうと、混乱が起きてしまいます。
使用料の引き上げも同じで、プラットフォームに左右されてしまいますよね。
プラットフォームが終了してしまっても、オープンソースとして公開することを保証しているところもありますが、やはり不安は残ります。
NoCodeでできることには限界がある
先にも書きましたが、NoCodeでできることには限りがあるのが現状です。
私たちの身近にある人気で使いやすいサイトやアプリは、何度も修正が加えられていて、細部までこだわって作られていますし、NoCodeでは実装できない複雑なアルゴリズムもあります。
誰でも好きなものを作れるNoCodeは、アプリやサイト作りの間口を広げてくれるすごいアイデアですが、実際にコーディングするのと比べると差があり、現段階では限界があるといえるでしょう。
「No Code」でスタートアップが大型資金調達
2019年に入り、「ノーコード」を提供するさまざまなサービスが、スタートアップに向けた大型の資金調達をする動きが目立つようになりました。
レスポンシブなデザインのWebサイトが作成できる「Webflow」をはじめとする、WebシステムやWebアプリ開発の効率化、簡易化を提供するサービスが中心です。
それぞれサービスの用途は異なりますが、メリットは共通しています。それは、世界中のエンジニアが手掛けてきた数多くのシステムに「よく記載されるコード」や「時間の掛かるコード」を、クリック操作のみで簡単に作成できることです。
プログラマー不足と言われる中、言語知識のないエンジニアでも、画面操作だけで開発できるプラットフォームを提供するビジネスが拡大しています。
これからはプログラミングを覚えること以上に、No Codeのような新しいサービスを使いこなすスキルが必要となるのかもしれません。
全てのコーディングが不要になる?
No Codeのサービスを利用することにより、コーディングが全て不要になる訳ではありません。なぜなら、ノンコーディングで出来ることには「限り」があるからです。
No Codeが働く一番の役割(メリット)は、多くのシステムやサービスが持つ「共通的または類似的な課題の解決に、コーディングを不要とすること」にあります。
例えば、スマホアプリで「ボタンをタップしたときの処理」「特定の操作を呼び出す処理」ような汎用処理を、予め「部品化」しておきます。このような「用意された部品」を使って、アプリを開発するためのサービスが提供されるのです。
アプリの開発者はコーディングするのではなく、用意された部品を組み合わせながらシステムの開発をするのです。No Codeにより不要となるコーディングは、このような「用意された」プラットフォームでの開発に限られます。
ですが、よほど特殊な処理を必要としない限り、気にする必要もありませんので安心してください。
NoCodeが流行るとエンジニアは稼げなくなる?
NoCodeでなんでもできるというわけではないので、エンジニアが稼げなくなるということはないかと思います。
エンジニアは技術をもって、クライアントと話し合いを重ね、サイトやアプリを作っていくので、提供できるものがNoCodeとは違うんです。
そのため技術があれば今まで通り高単価の仕事を受注できるでしょうし、NoCodeの影響でエンジニアが稼げなくなることはないので、今勉強中の方や、エンジニアの方は自分の技術を伸ばしていくことに注力した方がいいでしょう!
それにNoCodeの技術も身に付けば、個人からの仕事などチャンスが増えるかもしれません。
どちらの技術もある!という状態を作るのがベストです!
NoCodeはどうやって学ぶの?
実際に使ってみるのがいいのかなと思います。
簡単に作れることが売りのNoCodeなので、まずはいろいろ考えずに使ってみて、やりながら調べて学ぶのがおすすめです。
また、YouTubeなどで使い方を解説している動画もあるので、参考にしてみてはどうでしょうか?
また勉強会も開かれているようなので、気になる方はチェックしてみてください。
NoCodeはまだ新しいものなので、いろんな人の意見を聞きながら進めていくのも面白いと思います。
【NoCode】コードを書かずにメルカリのようなサービスを1時間で作ってみる
「No Code」でよく使われるおすすめサービス【Webサイト制作】
ペライチ
ペライチは、その名の通り「ペラ一枚」でWebサイトやホームページが作成できるような手軽さが売りです。サイトデザインのテンプレートも用意されており、初心者でも安心できます。
ユーザの閲覧回数に制限があるなど、自由度の低い部分があるため、大きなサイトの作成には向いていません。お手軽に簡単なホームページを作ってみたい方におすすめです。
「デザインテンプレートの種類が多い」「操作が簡単」といったメリットがありますがその分、WIXよりカスタマイズの自由度が低いことがデメリットになります。
とにかく簡単にサイトを作ってみたい!って方におすすめのサービスです。
WIX
WIXでは、HTMLやCSSの知識がない方でも簡単に、Webサイトやホームページが作成できます。サイトデザインのテンプレートが豊富なので、文字と画像を当てはめるだけで十分です。日本語に対応しており、セキュリティ管理もしているので安心できます。無料プランから利用可能ですので、まずはお試しで始めてみてはいかがでしょうか。
WIXは拡張機能となるアプリが豊富です。問合せフォームや予約フォーム、チャット機能など便利な機能がテンプレートとして用意されています。企業や店舗のホームページ作成に役立てるのもおすすめです。
webflow
webflowもWIXやペライチと同様に、Webサイトやホームページを簡単に制作できます。webflowが他のサービスと異なる点は「サービス上で作成したデザインのコード(HTMLやCSS)を取得できること」です。Webサービスは用意されたテンプレートを使用して簡単に制作できる反面、カスタマイズの自由度に制限があります。webflowはちょっとしたカスタマイズができるので、デザインにこだわりたい方におすすめです。
webflowの大きな特徴は、「レスポンシブウェブデザイン」に対応していることで、レスポンシブウェブデザインは、PCやスマホ、タブレットのブラウザで表示した画面レイアウトが、端末に適したデザインになるよう切り替えてくれます。
shopify
shopifyは「ネットショップ」のサイト製作に特化したサービスです。同種のWebサービスでは、世界No.1のシェアを誇っています。shopipyは無料プランがありませんが、ネットショップで必要なサイト制作や決済方法、SEO対策などのサポートが豊富です。
世界No.1シェアを誇るshopifyは、175か国以上で利用されています。そのため、世界中の言語や決済方法に対応しており、国を超えたECサイトを作成するハードルが低いです。在庫管理もしっかりしており、国内外の配送業者と提携もしています。
sharetribeはメルカリのような、マーケットプレイス型のWebサイトを製作できるサービスです。作成したWebサイトは自身が出店するだけでなく、他ユーザーが出店するための場所として提供することも可能。そんなサイトを10分程度で製作できてしまいます。
sharetribeで作成するサービスは、地域向けの小規模なサービスにおすすめです。道具や器材のシェアリングや運転代行サービス、農家の野菜販売サイトなどローカルビジネスに活用されています。
「No Code」でよく使われるおすすめサービス【アプリ制作】
bubble
bubbleは「プログラミングが分からない人」でも、Webアプリケーションを製作できるサービスです。Webプログラミングに必要なコーディングのほとんどを、ビジュアルインターフェースによるマウス操作で対応できます。拡張機能となるプラグインも、数百種類と豊富です。現在では、多くの企業サイトで利用されています。
bubbleで作成したWebアプリが、大手企業で採用された実績も多数。例えば「Clarity」は、自分のキャリアを管理して給与交渉などに利用するアプリです。このアプリは、マクドナルドなどで採用実績があります。簡単なだけでなく、有益なWebアプリもしっかりと作成できるサービスです。
Adalo
Adaloもbubbleと同様にコーディング不要なWebアプリケーション製作ツールです。こちらは、AndroidやiOSに対応したモバイルアプリも作成できます。
モバイルアプリのテンプレートも数種類用意されています。ToDoリストやチャットアプリなど、スマホで需要が高いテンプレートです。テンプレート通りの用途であれば、デザインなどの内容を少し変更するだけでアプリが完成します。
「No Code」でよく使われるおすすめサービス【作業効率化】
kintone
kintoneはサイボウズ株式会社が提供する、ビジネスアプリ作成用のWebサービスです。業務で管理が煩雑になりがちなデータやプロセスの管理が簡単になります。さらに、管理した情報を効率的に共有できるメリットもあります。
業務に特殊なフローがあり、汎用的なアプリを使いづらい場合におすすめです。サンプルアプリも豊富なので参考になり、場合によってはそのまま使用できます。30日間の無料トライアルがあるため、お試しでアプリを作成することも可能。機能や使い勝手を確認してから、業務に本採用する企業も多くいます。
「No Code」でよく使われるおすすめサービス【作業自動化】
zapier
TwitterやInstagramなどの有名なサービスを組み合わせ、独自のタスクを作成できるサービスです。直感的な操作で効率的なタスクを作成できることから、ビジネスマンからも重宝されています。タスクの作成数により、有料プランへの移行が必要になるので注意しましょう。
最近はSNSの利用が活発化しています。TwitterやInstagramなど、複数のSNSにアカウントを持つユーザーも多いです。TwitterとInstagramを連携することで、Instagramに投稿した画像を、Twitterへ画像付きツイートとして投稿するような機能を作成できます。
IFTTT
IFTTTもzapierと同様にWebサービスを連携するツールです。対応するサービス数が多く、日本国内でも多くの方が利用しています。タスクにかかわらず無料で使用できますが、サービスの連携時に多少のタイムラグが発生する欠点があります。
便利なポイントとしては、時間設定や位置情報をトリガーとした機能が作成可能。例えば、毎朝6時に当日の天気をLINEに通知する機能や、職場に着いたらスマホをミュートにする機能など。スマホにインストールされた異なるアプリで、別々に操作していた手順を一括できることに大きなメリットがあります。
「No Code」でよく使われるおすすめサービス【音声・チャットボット】
voiceflow
voiceflowはコーディングなしで、Amazon AlexaやGoogle Assistant用の音声アプリが作成できるサービスです。質問文に対する回答パターンと応答パターンを考えれば、あとはフローチャートのようにパターンを組み合わせるだけで、簡単に音声アプリ完成します。
voiceflowのフォーラムや参考サイトは、ほとんどが英語サイトとなっています。Facebookの「Voiceflow Japan User Group」が唯一の日本語サイトです。参考となる情報や困ったときの対処方などを確認したい時は、参照してみることをおすすめします。
「No Code」でアプリやWEBサービスを作る前に参考にしておきたいもの
「No Code」に特化したブログ(英語)
makerpad
makerpadは「No Code」に特化した、情報サイトのようなブログです。コーディングなしでプロダクトを作成する方法や、サービスを用いたアプリやサイトの作成例などを紹介しています。サイトは英語表記ですが、動画での解説もあります。これから「No Code」を利用する際に参考になるサイトです。
「No Code」のコミュニティ
No-Code JP
No-Code JPはNo Code開発について、ベンダーやパートナーの垣根を超えた情報共有を目的としたコミュニティです。エンジニアではない人が、システム開発できるようになる情報を発信しているので、開発経験がない方も積極的に参加しています。もちろん熟練の経験者もいますので、さまざまなアドバイスや有益な情報を提供してくれます。
「No Code」でWebサービスを作っているスゴイ人
メルカリみたいなサービスを作ってみたhttps://t.co/lXe5towLjp
決済はできないようにしてるんだけど、実はこれ一切コードを書かずに作ってます。
これから新規サービスを始める方は、プログラムを書いて作るか、ツールを使って作るかよく考えた方がいいかも。 pic.twitter.com/CzjpEil1Px
— しんじ🇻🇳NoCodeスクール (@__shinji__) October 14, 2019
No CodeでさまざまなWebサービスを製作されている方を紹介します。「しんじ」さんはNo CodeでWebサービスを作成する方法や、作成に使用するサービス(bubbleなど)の使い方を紹介しているエンジニアです。メルカリのようなサービスを、「一切コードを書かずに」作成した例なども紹介されています。
「No Code」について注目のツイート
2019年3月に行われた、Product Hunt Makers Festival は「NoCode」をテーマに1000人のクリエイターが世界中から参加し、コーディングなしで作られた120のプロダクトが投稿された。https://t.co/GjQzgnH9VC
— しんじ🇻🇳NoCodeスクール (@__shinji__) October 24, 2019
上記で紹介した「しんじ」さんのツイートに気になる情報がありました。2019年3月に「Product Hunt Makers Festival」と呼ばれるイベントが開催されたそうです。世界中から約1,000人のクリエイターが参加し、No Codeで製作された120の作品が投稿されています。
これからアプリを作成する方は、このイベントに投稿された作品や、次回以降のイベントに投稿される作品に注目してみましょう。
あなたも挑戦してみては?毎日30分、NoCodeでいろんなサービスを立ち上げるチャレンジ
TwitterCloneのMVPを1時間で作ってみた。#nocodevember
・ツールはAdalo @AdaloHQ
・制作1時間(でチャレンジ)
・できたのはタイムラインとツイート投稿/詳細表示、アカウント周り
・他にも作れる→コメント, fav, DM, 通知, 検索, ツイート削除↓から触れますhttps://t.co/XS2CexATX5 pic.twitter.com/0L88QjpCRf
— 三上蒼太 / yenta :Atrae (@sota_mikami) November 17, 2019
No Code開発に興味があり、これから活用してみたいと思う方は、実際にツールを動かしてみることをおすすめします。もし、サービスが立ち上がったら、ハッシュタグ「#nocodevember」で紹介してみましょう。ハッシュタグ「#nocodevember」は、毎日30分で様々なNo Codeのサービスを立ち上げるチャレンジです。試作品でも構いません。No Codeに興味を持つユーザーが使用し、さまざまな意見を得られるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。No CodeによるWebサービスやアプリの開発に、コーディングは不要です。そしてプログラミング経験がなくても、簡単にシステム開発ができるようになります。
これまでプログラミングの未経験者が、1つのアプリを開発するために多くの時間を必要としてきました。「言語を勉強する」「開発環境を用意する」「アプリを設計する」「コーディングする」「動作確認する」など、やるべきことだらけです。このような長い道のりに、数か月から数年の時間がかかります。そんな長い道のりが、No Codeで開発することにより「たった数日(もしくは数時間)」で完了することもあるのです。
これからは、コーディング技術を学ぶことに時間をかける必要はありません。No Codeの様々なツールを使いこなすことで、誰でも簡単にサービスやアプリを製作できるからです。No Codeに関するツールは用途により多種多様です。まずは、これらツールの特徴を理解し、使いこなせるようになりましょう。そして、頭の中に浮かんだサービスやアプリのアイデアを、適切なツールを選択して形にできれば、あなたは立派なエンジニアです!
最後に。
No Codeでの開発に慣れてきたら、コーディングについて少しだけ勉強することをおすすめします。開発では「想定通りにいかない」状況が発生しがちです。バグが発生していたり、設定を誤っていたりすることがあります。そんな時、迅速に原因を突き止め、対処方法を検討するスキルが必要です。コーディングができるようになれば、様々なツールをより使いこなせるようになりますよ!
No codeに関する記事はこちら
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