SEとSIerの違いって?働き方から転職まで解説
エンジニア転職公開日 : 2020年08月17日 | [更新日] 2023年06月01日
この記事をざっくりまとめると、、、
SIerは、システムインテグレーション(システムの導入)を行う「企業」を指す。
SIerの転職状況や、年収などをご紹介。
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SEとは
SEとはシステムエンジニアの略
システムエンジニアは、システムの開発者を指します。
顧客の要求や請け負う案件により、
・データベースエンジニア
・ネットワークエンジニア
・セキュリティエンジニア
といった、異なるエンジニアの形態に分けられます。
SEの仕事内容
顧客要求のヒアリングから始まり、要望に沿ったシステムを納めることで開発プロジェクトが完了します。
要件定義
要件定義は顧客からの要求をまとめ、「どのようにシステム化するか」をまとめます。
顧客の依頼を「プログラムで実現させる手段」をイメージできるスキルが必要です。
基本設計
基本設計は要件定義のヒアリング結果を基に、必要となる機能の洗い出しを行います。
画面レイアウトやデータベース仕様など、「詳細設計で使うための資料」の作成がメインです。
詳細設計
詳細設計は基本設計の資料を基に、「製造(プログラミング)するための情報」をまとめます。
機能ごとの細かな処理やフローチャートなど、プログラマーがプログラムを組むための設計書の作成がメインです。
テスト
テストは、プログラマーが作成したシステムの動作を検証します。
仕様通りに動作すること、顧客の要求を満たすことなど、不具合やバグを洗い出す作業です。
SEに必要なスキル
システムや技術に関する知識
システムの知識がないと、顧客の要求をシステム化する適切な手段を定義できません。
システムを効果的に活用し、効率的にプログラミングするなら、システムや技術に関する知識は必須です。
論理的思考力
システム開発において、顧客の要求を「システムでいかに実現するか」を思考するスキルは大切です。
システム化を実現する方法は、一つだけとは限りません。
数ある選択肢の中から適切な選択をする思考能力は、大きな武器となります。
コミュニケーション能力
システム開発は、コミュニケーションの機会が頻繁に発生します。
顧客とのヒアリングやプロジェクトメンバーとの情報や進捗の共有など、コミュニケーションは必須です。
コミュニケーションの不備による認識の齟齬が、思わぬバグを生み出すことも珍しくありません。
SEの平均年収
調査方法により金額が多少前後しますが、システムエンジニアの年収は平均550万円ほどになります。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、日本国民の年収が平均420万円と発表されているので、SEの平均年収は約130万円も高いです。
SIerとは
SIerはシステムインテグレーターの略
SIerは、システムインテグレーターと呼ばれています。
一般的な役割は、官公庁などの大規模なシステム構築や運用サポートです。
SEと比較して、PJマネジメントの役割が大きなウェイトを占めています。
SIerの仕事内容
顧客要求のヒアリングから始まり、要望に沿ったシステムを納めることで開発プロジェクトが完了します。
中小SIerは、大手企業から下流工程を請け負うことが一般的です。
要件定義
顧客の要求をヒアリングし、システムの機能や性能をまとめます。
サーバのスペックやセキュリティなど、PJ全体の運用サポートも大きな役割です。
基本設計
SEの業務と同様に、要件定義書からシステムの設計書を作成します。
プログラムの土台となる、大きな役割を担っているプロセスです。
詳細設計
基本設計を基に「プログラミングで必要となる情報」を整理します。
下流工程は、下請けの中小SIerが担当するパターンが一般的です。
開発
SEの業務と同様に、プログラミングを行うことでシステムを組み立てます。
大手SIerは下請け外注することが一般的なので、開発の経験を積みたい場合は注意してください。
テスト
テストは、システムが仕様通りに動くことの検証作業です。
基本的に設計者やプログラマーが対応しますが、外注のテスターに依頼することあります。
SIerに必要なスキル
システム設計や開発に関する知識
SIerは顧客要求の実現に向けて、効率的かつ最適な手段を提案できるスキルが必要です。
ソフトウェアの知識だけでなく、動作環境となるサーバーやネットワーク、セキュリティなど幅広い知識を身につけましょう。
スケジュール管理能力
スケジュール管理を含めたプロジェクト全体の運用管理は、大きな役割の一つです。
プロジェクトには外注を含めた複数企業のエンジニアが携わるため、全体の工程管理を行わないと大きな遅延が発生するリスクがあります。
またスケジュールだけでなく、品質やコストの管理といったマネジメントスキルも大切なスキルです。
コミュニケーション能力
システム開発を円滑に進めるため、顧客とのヒアリングとプロジェクトメンバーとの意思疎通は大切です。
要件定義やプロジェクトの管理が大きな役割となるため、コミュニケーションスキルは最も大切なスキルといえます。
認識の齟齬は、思わぬトラブルを巻き起こす危険性があるため注意が必要です。
Slerの平均年収
dodaが調査を行った「平均年収ランキング最新版【職業別】」によると、平均年収は約438万円です。
平均年収が約404万円であるSEと比較すると若干低い印象を受けますが、業務の分類により平均年収に大きな差が発生します。
SIerの4つの分類
独立系SIer
独立系は、後述で紹介するメーカー系のように特定企業の配下に属しません。
親会社が存在しないことにより、サーバーやソフトウェアを自由に選択できる点が特徴です。
独立系として有名な企業は、日本ユニシスや大塚商会が挙げられます。
メーカー系SIer
メーカー系はソフトウェアを開発しながら、SIサービスも行います。
富士通や東芝などが有名で、自社ハードを用いたプロジェクト案件が一般的です。
銀行系SIer
銀行系は、金融会社のIT系子会社に該当します。
親会社からの受注が一般的で、自分たちで仕事を探す必要がないことも特徴です。
Web系SIer
SIerにWeb系の職種は存在しないようです。
SIer系の会社は、親会社など他社から受注した案件にてシステム開発を行います。
一方でWeb系の企業は、自社のWebサービス(サイトやアプリ)を開発する業務が中心です。
SIerの平均年収
四季報に掲載されたデータを基に、分類別に大手SIerの平均年収を以下にまとめます。
独立系SIerの平均年収
親会社からの受注がない独立系は、他の分類と比べ平均年収にばらつきがあります。
中でもOracleや大塚商会は、平均年収が他の分類と比較しても高いです。
これは自社ブランドの商品力の強さが、大きな要因と言えます。
・大塚商会:約812万円
・TIS:約681万円
・富士ソフト:約594万円
・トランスコスモス:約462万円
メーカー系SIerの平均年収
メーカ系の平均年収は、他の分類と比較して安定して高い傾向にあります。
ハードウェアを販売する親会社の存在が、年収が高い要因の一つです。
・日本ビジネスコンピュータ:約744万円
・富士通マーケティング:約731万円
・日立システムズ:約711万円
・NECソフト:約548万円
銀行系SIerの平均年収
銀行系の平均年収も、メーカ系と同様に全体的に高い傾向です。
親会社の企業規模が大きいほど、平均年収が上がる傾向があります。
・日本総合研究所:約825万円
・新日鉄住金ソリューションズ:約814万円
・伊藤忠テクノソリューションズ:約765万円
・SCSK:約695万円
SIerの代表的な企業
富士通
富士通はメーカー系に該当し、富士通マーケティングが有名で
自社開発のシステムを顧客へ提案しており、メーカー系特有の大きな企業規模や売り上げが目立ちます。
NTTデータ
NTTデータは、ユーザ系SIerと呼ばれています。
銀行系と同様に、親会社となるNTTグループからの案件を請け負い、大手の企業グループであるがゆえの安定性が魅力的です。
日立製作所
日立製作所も、富士通と同様のメーカー系に該当します。
企業規模が大きく、仕事内容は上流工程がメインです。
官公庁のような社会に大きな影響を与える取引先と、スケールの大きな仕事ができる魅力があります。
SEとSIerの違いは職種か会社か
冒頭でもご紹介しましたが、SEとSIerは「職種か会社か」の違いがあります。
SEは職種のことを意味する
システムエンジニアは、システムの開発を担当する技術者を指します。
システム開発における要件定義や外部設計と言った「上流工程」が、システムエンジニアの一般的な役割です。
システムエンジニアの働きは、下流工程の品質を大きく左右します。
プログラマーとしての技術や知識、さらにはコミュニケーションスキルもシステムエンジニアにとって必要です。
SIerは会社の総称のことを意味する
SIerは、システムインテグレーター(System Integrator)の略称です。
ITベンダーと呼ばれるような「システム開発会社」を指しています。
業務内容はほとんど同じ
SIerには、従業員としてSEが所属しています。
そのためSIerとSEの業務内容は、どちらも同じ「システム開発」です。
業務内容は同じですが、SIerは企業規模や業務分類による特徴があります。
・企業規模により「業務の担当範囲」が分かれている。
(大手は上流工程、中小は下流工程が一般的)
・業務分類により開発案件の受注先が異なる。
(メーカー系、独立系、銀行系など)
これらの特徴は、SIerを就職先として選択する上で大きなポイントとなります。
メーカー系、銀行系SIerからWeb系への転職
メーカー系、銀行系とWeb系は、いずれもエンジニア職です。
しかし転職するにあたり、同じエンジニア職でも必要となる技術が異なることに注意してください。
使用言語が異なるためWeb系言語の習得が必要
Web系の開発は、Webサイトやアプリを構成するWeb系言語(HTMLやCSS、JavaScript)が必要となります。
メーカー系、銀行系SIerが開発する業務システムとは、使用する言語が異なるはずです。
これらのWeb系言語の知識を習得し、Webサイトが構築される仕組みから学習を始めましょう。
Web系SIerからフリーランスへ
Web系のフリーランスとして活躍できる
ここ最近、フリーランスで働くWeb系エンジニアが増えています。
スマホの普及やSNSの需要増加に伴い、Webサービスの開発が活発です。
Webシステムは、リモートワークで開発できる案件も数多くあります。
スキルさえあれば、場所を気にすることなく活躍できるWeb系のフリーランスは注目です。
働く場所と時間に制限がなくなる
フリーランスのエンジニアは、リモートワークで働く方が増えています。
自宅に作業環境があれば、在宅ワークも可能です。
企業に属していないので、就業時間もなく在宅であれば通勤も必要ありません。
場所と時間の制限がなくなることは、フリーランスの大きなメリットです。
営業と経理処理は自分で行う必要あり
フリーランスとして働く以上、営業と経理処理は自分で行う必要があります。
SIerのように、営業をしなくてもグループ企業から仕事が発注されることはありません。
企業に属していないので、経費も自己管理が必要です。
SIerから転職する際にオススメのエージェント
ここからは転職する際に参考にしたい、オススメのエージェントをご紹介します。
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まとめ
最後に、改めてSEとSIerの違いを簡単にまとめます。
・SEは、システムエンジニアの略称。システム開発を行う「人」を指します。
・SIerは、システムインテグレーション(システムの導入)を行う「企業」を指します。
SIerの主な業務は、SEと同じシステム開発です。
開発するシステムは自社システム(パッケージ)が多く、既存システムのリニューアルや不具合修正が主な業務となります。
そのため、SIerは新しい技術に触れる機会は少ないかもしれません。
もちろん汎用的なスキルを身に着けることは大切です。
SIerは開発管理や業務システムの専門的な技術が身につきますが、仕事の範囲を広げにくい傾向があります。
時代が進むにつれ、Web系サービスを中心とした「新しい技術」がどんどん増えています。
この記事を読んでいるみなさんは、ご自身の成長に伸び悩みを感じることはありませんか?
そんな時は、新しい技術を習得してスキルアップするための転職も検討してみてください。
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