オードリータンの生い立ちや経歴【IT業界人シリーズ: 台湾の凄腕IT大臣】
プログラミング学習公開日 : 2020年05月13日 | [更新日] 2023年10月01日
目次
オードリー・タンってどんな人?
台湾の天才IT大臣として話題のオードリー・タン氏。
35歳という若さで入閣し、ITの知識を活かして活躍する彼女は一体どんな人生を歩んできたのか気になりますよね。
なぜIT大臣になったのか、どんな幼少期だったのかなど、紹介していきたいと思います。
生い立ち
オードリー・タン(唐鳳)氏は1981年4月18日に台湾で生まれました。
幼い頃からパソコンを使っていた彼女は、12歳の時にプログラミング言語Perlを学び始めました。
学校生活にあまり馴染むことができなかったオードリー氏は、幼稚園を2回、小学校を5回転校した経験があります。
そして14歳の時には中学校を中退しています。
こんなに学校を転々としていることに正直驚きますが、自分の生きやすい環境を探させてくれる、理解のあるご両親だったのでしょうね。
中学校を中退してからは、自主学習を進め、19歳の時にシリコンバレーでソフトウェア会社を起業しました。
この頃からすでに、大学教授などと連携して仕事をしていたそうです。
スピード感が凄すぎますね…。
その後24歳にして、米Appleと台湾の電気製品メーカーBenQの顧問を任されます。
この年に、Perl 6をHaskellというプログラミング言語で記述するプロジェクトを任され、Pugsを作ったことでも知られています。
政治家としての経歴
2016年からは政治家としての活動も始めています。
35歳にして台湾の行政院に入閣。デジタル担当の政務委員に就任しました。
これは日本で言うところの大臣クラスだそうです。
経緯としては、林全行政委員長が、デジタル政務を担当できるいい人材がいないかオードリー氏に相談していたところ、周りから彼女こそが適任であると勧められオファーしたとのこと。
台湾で史上最年少の閣僚として、とても注目されました。
またオードリー氏はトランスジェンダーということもあり、史上最年少、そして中学校中退で入閣という今までの政治家の歴史を大きく塗り替えた人物なのです。
本当すごいですよね。
コロナ対策で注目されるオードリー・タン
コロナウイルスのことがニュースになって以降、オードリー氏の名前を日本でよく聞くようになった方も多いのではないでしょうか?
彼女は台湾のコロナウイルス対策のために、自身の知識や行動力を活かして、迅速な対応を見せました。
ここでは大きく3つの活動をご紹介します。
台湾におけるマスクの在庫管理に関して
政界に入ってすぐに大きな話題となったオードリー氏ですが、日本でよく名前を聞くようになったのは最近じゃないでしょうか?
台湾はコロナ対策がスムーズに行われ、感染拡大を押さえたことで注目されています。
その対策を彼女がITの面で支えたのです。
まず一つ目の成果は、マスクの在庫管理です。
「eMask」というこのアプリでは、薬局にどれだけマスクの在庫が残っているのかリアルタイムで把握できるようになっています。
事前に本人登録を行っておけば、あとは予約してコンビニなどで受け取るだけ。
このようなシステムを作るために1月下旬から動き出していたというスピード感がすごいですよね。
在庫情報がオープンにされ、みんなに平等な数を、平等な金額で提供できるシステムによって、マスク不足による混乱が押さえられたというのは彼女のおかげです。
さすがIT大臣ですね。
東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」に協力
もう一つ最近話題になったのは、東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトに彼女が協力したということです。
もともとこのサイトはGitHub*上で公開されていて、ユーザーが修正などを提案できる仕組みでした。
そこにオードリー氏が突如現れ、言語選択欄を「繁体字」から台湾で主に使われている「繁體字」に変更することを提案したのです。
その提案は実際に採用されました。
小さな変更ではありますが、東京都のサイトを改善しようとしてくれる姿勢や、台湾のIT大臣が都のシステムに協力してくれたということが、良い流れですよね!
東京都新型コロナウイルス対策サイトについてもっと知りたい方はこちら!
東京都新型コロナウイルス対策サイト作りを牽引した、宮坂学氏について知りたい方はこちら!
Humor over Rumorという活動
オードリー氏は情報が溢れる社会で、デマに惑わされることを防ぐためにHumor over Rumor(噂よりユーモアを)というプロジェクトも行っています。
そもそも台湾では情報公開や、情報の信憑性などに関心が集められているようですが、そのような社会でデマ対策をしっかり行い、より良い方向に進もうとしています。
その対策の一つが、LINEを使ってファクトチェック*が自動でできるツール。
LINE上で画像やテキストを読み込み、その情報を台湾疾病管制局のものと比べることで事実かどうかを判断します。
その情報が間違っていた場合は、ほんの数秒で教えてくれるそうです。
他の政府機関にも参加を促し、より広い範囲でファクトチェックが行えるように対策を進めているんです。
LINEという身近なツールを使うことで、市民のデマに対する意識を高めることはすごいですよね!
また、情報をオープンにしたり、デマ対策に力を入れたりする活動はこれだけではありません。
彼女自身が開かれた政府を体現するために、週に一度、誰でも彼女に会いに行ける日を設けているんです。
北京市内にある社会創新実験センターという施設で、予約をすれば彼女と会って話をすることができる制度で、政治の壁を低くして誰もが社会に参加できる雰囲気を作っています。
オードリ・タンにまつわること
彼女のことをもっと知りたいと思った方はこちらのTwitterや動画をチェックしてみてください!
オードリー氏はTwitterで積極的に情報を発信しています。
Tweets by audreyt
彼女の考え方がわかる動画
台湾の天才プログラマー 多様性が育てた変革の徒
Twitterでサージカルマスクの消毒方法を紹介
💁 同僚の @urakagi が翻訳と吹き替えを担当してくれました。日本の皆さんのお役に立てれば幸いです。
ℹ️ 注意:この方法が使えるのは、破損していなくて汚れてもいない、室外または感染リスクの低い場所で使用されたサージカルマスクのみです。また、本消毒法は 3~5 回が限界です。 pic.twitter.com/HIVVvZEErB
— Audrey Tang 唐鳳 (@audreyt) April 1, 2020
TEDxでのスピーチ(英語字幕あり)
まとめ
いかがでしたか?
30代という若さにも関わらず、ITの面で国の最前線に立って活動をしているところが本当に頼りになる存在ですよね。
ただITの知識を持っているということではなく、いかに正しい情報を届けるか、いかに情報をオープンにするかというところに力を入れています。
政界に入った際に「公僕の中の公僕になる」と宣言した彼女ですが、
その取り組みは台湾だけでなく、世界に役立つものになるのではないでしょうか?
WRITER

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