【職種別にも紹介】エンジニアになるのに学歴は必ずしも必須ではない?
エンジニア転職公開日 : 2019年10月12日 | [更新日] 2023年05月01日
「エンジニアになるのに学歴は必ずしも必要?それとも関係ない?」
これ、気になりますね。
そもそも学歴とは、自分の通った学校の歴史ですよね。ところが、会社に入る時は、最後に通っていた学校の名前が重要視されていたりします。本当にそれでいいのでしょうか?
今回は、エンジニアと学歴の関係を見ていきます。
目次
エンジニアになるのに学歴って関係ある?
答えは、
「学歴はある方がいい。でも、概ね関係はない」
ということで、少しづつ見ていきましょう。
学歴はある方がいいが概ね関係なし
「社会に出たら学歴なんて関係ない!」とよく言われます。これは本当に正しいと私は思います。就職するまでは学歴が重要視されることもあります。しかし、会社に入ってからは仕事ができるかできないか、それが重要です。これは「事実」です。
学歴が確認されるのは面接時だけ
正直、面接のときに学歴を確認することはあっても、採用の決め手にはなりません。(学歴だけで決めるなら、面接は不要ですよね)
私は以前採用面接の面接官をしていました。面接というよりも、就職希望の人たちでグループワークを行っていただき、その過程を観ながら適性を判断するというものです。
グループには、高校生、大学生、大学院生、理系、文系等様々な人がいます。当然、有名な大学の人もいます。
そんな中「アレ?」と思うことが多々あります。
学歴は凄いんだけど、なんかいまひとつ。あるいは、その逆で、学歴はたいした事ないけど、リーダシップをとってうまく進めてるなと思うことも。
学歴よりも、その人が持っているキャラクターが大事です。
エンジニア職によっては専門的な知識が必要
エンジニアとして持っててほしいのは、専門用語の基礎知識です。専門用語は、どんな業界でも存在します。IT業界では他の業界よりはるかにこれが多いといえます。
また、IT業界は略語が大好きです。BCP (Business Continuity Plan)、RPA (Robotic Process Automation)等など。そもそも、ITだって、Information Technologyの略語ですよね。
このような専門用語は、資料や会議中に沢山出てきます。資料であればその場で調べれば大丈夫です。でも、会議ではそうも言ってられません。最低限の専門的知識は持ったほうがいいと言えるでしょう。
結局エンジニアになるのに学歴は必要なの?
学歴は就活の時はあったほうがいいが、会社に入ってしまえば要らないと書いてきました。ただ、学歴の高い人に期待することがあります。
それは、目標を達成する力です。
学歴が高いということはいい大学に入るための勉強をしてきたということですよね。
一流大学に入るという目標を掲げ、その目標を達成するために、自分自身の心の持ち方や体調を管理しながら、コツコツと勉強してきた。だからこそ、一流大学に入ることができた。
この目標を達成する力、コツコツと勉強する力。
これは、エンジニアにとってとても重要な要素です。
エンジニアの世界の技術革新はすごいスピードで進んでいきます。
特に、IT業界はその傾向が顕著です。
ドッグイヤーと呼ばれるぐらい技術革新などの変化が激しい業界です。エンジニアは、常に最新の技術を追いかけて、勉強し続ける必要があります。
学歴は関係ないが大手だと足切りされる可能性はあり
世の中安定を求める人は沢山います。当然そういう人は公務員や大企業を目指します。
ちなみに、
1位 トヨタ自動車、2位 日立製作所、3位 パナソニック
これは、理系大学生の就職希望ランキングです。大企業ばかりですね。当然ですが、大企業には多くの人が応募します。採用担当者としては、何らかの方法で足きりする必要があるわけで、それが学歴ということは理解出来るのではないでしょうか。
最も大事なのはエンジニアとしての技術力が高いこと
「技術があると口でいうだけじゃ分からない。」
これは、独立行政法人 情報処理機構(IPA)が主催している、情報処理試験のポスターです。
エンジニアとして技術力が高いことはとても大事なのですが、それをどうやって認識していただけるか?も大事です。
「私には技術がある」といくら声高に宣言しても、本当に技術があるのかは誰もわかりません。その技術があることを証明してくれる方法として、次の2つがあります。
資格取得
前述の「情報処理試験」などの国家資格。Amazonが主催する「AWS 認定ソリューションアーキテクト」などのベンダー資格を取得する。
ポートフォリオを作成して、公開する。(次で詳しく説明します)
ポートフォリオを持ちエンジニアとして評価してもらう
エンジニアとしてその技術力を武器に就職したい、活躍したいと考えているのでしたら、是非ポートフォリオを作成してください。
ポートフォリオとは、デザイナーが自分の作品をまとめて企業に提出していたものです。IT業界では、自分の能力や今までの実績をアピールするための実績集的なものです。良いポートフォリオが作成できれば、エンジニアとして採用される可能性は高くなります。
ところが、エンジニアの就職・転職の時に、ポートフォリオの提出を求められることは、ほとんどありません。あるのは、転職の時の「職務経歴書」程度です。だからこそ、ポートフォリオは提出することをオススメします。それは、就職活動を有利に進めることができるからです。
企業の採用担当者としては、技術力が有るかどうか分からない人(ポートフォリオの無い人)より、技術力が有ることが分かっている人(ポートフォリオがある人)を採用したいものです。当然、その人が持っている技術力が採用したい人材とマッチしているなら、なおさらです。
そこでオススメなのが、WEBポートフォリオです。 WEBポートフォリオのメリットは、次の4つです。
2.WEBポートフォリオで自分のスキルや実績をアピールしていることで、その人の前向きさを評価できる
3.WEBポートフォリオを作成するという行為自体が、エンジニアとして必要なプログラミング能力を持っている証になる
4.プログラミングの勉強にもなる
このように、WEBポートフォリオはエンジニアを希望する人にとって必要です。
他の人がやっていないことだからこそ、やったほうがいいのです。
WEBポートフォリオとして、TwitterやFacebookなどのSNSを活用している人もいます。個人のブログを活用している人もいます。しかしながら、エンジニアを目指す方は、安易にSNSを利用するのではなく、オリジナリティ溢れるポートフォリオを持って、他の方との差別化を図ってほしいと思います。
WEB上にはポートフォリオ作成サービスが多くあります。それらを活用して、オリジナリティ溢れるWEBポートフォリオの作成にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
海外でエンジニアになるには学歴必要?
これも日本と同様「学歴はある方がいい」でも、その捉え方はかなり違います。
どのような違いがあるのか?を見ていきましょう。
海外では学歴がないとダメな国もある
日本では、学歴?と聞くと「東京大学出身」や「慶応大学出身」等、大学名が重要ですよね。正直私もそう思ってました。
もっと言うと、卒業より入学が重要視される傾向があります。
「東京大学に入学したんだけど、どうしてもやりたいことがあって、中退した」
と、自慢話のようにされ、それに感心する風潮があります。
海外の大学では、大学は卒業するのが当然で、どの大学で何の学位を取得したか、何を学習してきたかが重要です。
話はそれますが、日本のIT企業の場合、文系出身者を受け入れています。
企業によっては半数以上が文系出身ということも珍しくありません。
それは、日本の企業では、入社してから社内研修で育成する方法をとっているからです。
とある企業の新入社員研修において、不思議なことがありました。
新入社員向けに品質マネジメントの講師のお手伝いをした時のことです。
ただその企業としては、不思議でも何でもなく当然のことなんですが、新入社員は理系出身者もいれば文系出身者もいます。
大学卒もいれば高卒もいます。
その人たちに、同じ内容の研修を同じタイミングでしているのです。もったいないと思いませんか?
アメリカでは学歴は必要?
アメリカンドリームという言葉を聞いたことがある人もいると思います。アメリカン・ドリーム(American Dream)とは、アメリカ合衆国における成功の概念。均等に与えられる機会を活かし、勤勉と努力によって勝ち取ることの出来るものとされ、その根源は独立宣言書に記された幸福追求の権利によります。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
このことから、アメリカは「自由で誰もが頑張れば成功できる」社会であり学歴とは無縁の社会のように感じます。
ところが、アメリカ社会というのは、日本以上の「超学歴社会」であり、学歴による「階級社会」なんです。
アメリカはそもそも階級社会の国です。
そして、その階級は競争の結果で得られます。その手段として、能力と努力の結果得られる「学歴」が重要なんです。
カナダでは学歴は必要?
カナダおいても「学歴はある方がいい」です。あった方が断然就活が有利です。また、給料も違います。
カナダにおいても、新卒を育てるという概念がありません。「技術は身につけてから就職するもの」という一般的な概念があります。技術を身につけている人が仕事を得ることができると言えます。
オーストラリアでは学歴は必要?
オーストラリアでは、「学歴は概ね関係ありません」。重要なのは、エンジニアとしての技術力です。
あるオーストラリアの方は、クイーンズランド大学というオーストラリアでもトップ5に入る名門大学でコンピュータ・サイエンスを専攻していたにもかかわらず、中々就職できなかった人がいます。反対に、ITの職歴がすでにあれば、就活が驚くほど楽になるそうです。
このような場合、WEBポートフォリオの作成・公開がより一層重要になってきます。
AIエンジニアになるには学歴が必要?
AI(Artificial Intelligence 人工知能)とは、人間が持っている、認識や推論などの能力をコンピューターでも可能にするための技術の総称のことで、現在IT技術の中でも最先端技術とされています。
AIエンジニアとは、AIの開発をする、AIに蓄積されたデータの解析を行う技術者のことです。機械学習やディープラーニングの技術で、機械が人間と同じように考え、動きを再現する技術を支える人々のことです。
AIエンジニアの仕事を大きく分けると、次の2つになります。
プログラミング系(機械学習エンジニア)
機械学習(コンピュータに命令とデータを与えて、機械の知能を向上させていく分野のこと)プロジェクトの中心的な存在。
アナリティクス系(データサイエンティスト)
ビッグデータを分析し、実務の場で分析結果から導かれた手法を活用することで企業に貢献する職業。
このようなAIエンジニアですが、「学歴はある方がいい」です。ここでいう学歴とは「〇〇大学出身」ではなく、「大学で何を学んだか」ということです。
特にAIに関する最先端の研究は大学やその関連機関で行われているのが実態です。
一般企業で進められている研究も大学との共同が多くあります。そのような理由で、大学で学んだほうが最先端の技術を得られます。
AIエンジニアは高度な専門知識が求められる
AIエンジニアに求められる高度な専門知識には、次の3つがあります。
・機械学習やディープラーニングの概念や基本
・汎用的プログラミング言語である「Python(パイソン)」を中心としたプログラミングやデータベース解析
・数学的知識。統計処理やデータ解析などのアナリティクス技術
ニュースでも分かる通り、既にいろいろな分野でAIが実用化されてきています(正直AIとは呼べない、単なるIT技術で実現しているものもAIと読んでいますが)。
企業としては、スピード感を持ってビジネスを進める必要がありますので、「即戦力を求める」ことになります。
AIエンジニアはこれからますます求められる職業
デジタルトランスフォーメーションをご存知ですか?
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation; DX)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。
2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされる 。ビジネス用語としては定義・解釈が多義的ではあるものの、おおむね「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」という意味合いで用いられる。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
その中核となる技術が、AI技術です。AI技術はあらゆる分野で求められています。それに伴って、AIエンジニアの需要も拡大しています。現状は、AIエンジニアは不足しており。給与も高く設定されています。
WEBエンジニアになるのに学歴は必要?
WEBエンジニアとは、WEBサイトやモバイルサイト上のWEBアプリケーションを開発する職業です。FacebookやTwitterなどのSNSなど、WEB上のシステムは日々増加しており、それに伴いWEBエンジニアニーズも高まっています。
そんなWEBエンジニアですが、「学歴は概ね関係ありません」。意外と初心者からWEBエンジニアになる人が増えています。
初心者でも理解しやすいのがWEB系の言語
WEB系の言語でよく利用されるのは、Ruby、HTML、CSSやJavaScriptです。特に、Webページのインターフェースを定義するHTMLやCSSの知識は必須です。
これらの言語を勉強する方法として、次の3つがあります。
本を使って学習する
プログラミングスクールで学習する
いずれにしても、初心者が学習しやすい環境がそろっています。
引用)学習方法に関しては、「SE(システムエンジニア)になるための学習方法と具体的な仕事内容」コドラン記事引用
初心者からWEBエンジニアになる人が増えている
最近、初心者からWEBエンジニアになる人が増えています。その理由は、何と言っても「深刻な人手不足」です。
その理由は、次の3つです。
IT業界の急速な発展と拡大
IoT(Internet of Things)と呼ばれる車、家電、衣服、メガネ、時計などWEBベースのサービスは急速に拡大しています。いまや、「IT無くして生活は出来ない」と言われるほど、ITが普及しています。
それに伴って、IT業界は急速に拡大しており、当然エンジニアは必要になっています。
IT業界は変化のスピードが早い
IT業界では少し前まで最先端と言われていた技術が数年の間に廃れてしまうほど速いスピードで技術革新が起こっています。
この新しい技術の習得にエンジニアを回すことができずにいることも要因の一つです。
IT業界人材の高齢化
今までパソコンが主流だった頃のエンジニアが、高齢化により退職してしまったことも要因の一つです。
人材の不足は、社会にとって深刻な問題です。
しかしながら、エンジニアにとっては売り手市場と言えます。未経験だらろと尻込みをするのではなく、積極的にチャレンジしてはいかがでしょう。
セキュリティエンジニアになるのに学歴は必要?
昨今のセキュリティ事故のニュースを見るたびに、セキュリティの重要性を痛感します。
たった一つのミスが、企業の社会的信用を失墜させ、企業の存族を危うくする場合もあります。
それに伴い、セキュリティ専門のエンジニアの需要も増大しています。
そんなセキュリティエンジニアですが、「学歴は概ね関係ありません」。
しかしながら、高度な知識が求められるのが、セキュリティエンジニアです。
学歴は必須ではないがかなり高度な知識が求められる
セキュリティエンジニアには、ネットワーク機器の設定、セキュアプログラミングやセキュリティアーキテクチャなど、セキュリティに関する専門的な知識が必要です。
Webアプリケーションの脆弱性の種類は多岐にわたり、対処法もさまざまです。
適切な実装方法の判断力という専門的なスキルが必要です。
初心者からセキュリティエンジニアになるのは難しい
初心者からセキュリティエンジニアになるのは簡単なことではありません。
しかしながら、可能性がないわけではありません。
その方法としては、セキュリティ関連の資格を取得することです。
セキュリティエンジニアを目指す人は、「シスコ技術者認定」や「CompTIA Security+」などの資格取得を検討してみてください。
今後もセキュリティ需要は高い
毎日のように新種のウィルスが出てくるなど、セキュリティの分野はいたちごっこの状態です。
また、ハッキングなどで不正侵入は後を絶ちません。それに立ち向かうのがセキュリティエンジニアであり、その需要は高いと言えます。
まとめ
いろいろな観点から、エンジニアと学歴についてみてきました。
結局、エンジニアにとって
「学歴はある方がいい。でも、概ね関係はない」
ということです。日々の学習は学歴以上のものを約束してくれています。
皆さんも、学歴というものに振り回されず、エンジニアを目指してみましょう!
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